トレーサ

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体の中を見える化する!核医学診断とは?

- 核医学診断病気を見つける核医学診断は、放射性物質を用いて体内の状態を画像化する検査方法です。 私たちの体を作る原子と同じように、ごく微量の放射線を出す原子を「放射性核種」と呼びます。この放射性核種は、検査薬となる物質と結合させて体内へ投与されます。この検査薬のことを「トレーサー」と呼びます。トレーサーは、検査対象となる臓器や組織に集まる性質があります。例えば、脳の活動を調べる検査では、ブドウ糖に似た構造を持つトレーサーを用います。 ブドウ糖は脳のエネルギー源となるため、脳が活発に活動している部分に多く取り込まれます。この性質を利用して、トレーサーから放出される微量の放射線を専用の装置で捉え、画像化することで、脳の活動状態を調べることができます。核医学診断は、がん、心臓病、脳疾患など、様々な病気の診断に用いられています。 検査自体は痛みを伴わず、体への負担も少ないという利点があります。 また、X線検査やCT検査では得られない、臓器や組織の機能に関する情報を得ることができるのも大きな特徴です。そのため、病気の早期発見や、病気の状態をより詳しく把握するために、非常に有効な検査方法と言えるでしょう。
放射線について

非密封線源:意外と身近な放射線源

- 非密封線源とは? 非密封線源とは、放射線を出す物質のうち、容器などに密閉されていない状態のものを指します。 私たちの身の回りにある製品を例に考えてみましょう。懐中電灯は、光を出す部分をガラスやプラスチックで覆っています。このように、放射線を出す物質が外に出ないようにしっかりと閉じ込めている状態を「密封」と言います。 一方、非密封線源は、懐中電灯で例えると、光を出す部分がむき出しになっている状態です。つまり、放射線を出す物質が、直接、外気に触れている状態を指します。そのため、扱い方を間違えると、放射線を出す物質が周囲に漏れ出てしまう危険性があります。例えば、粉末状の非密封線源を扱う際に、誤ってこぼしてしまったり、吸い込んでしまったりする可能性があります。 このように、非密封線源は、密封線源と比べて、放射線を出す物質が環境中に拡散してしまう危険性が高いため、厳重な管理と取り扱いが必要とされています。
放射線について

シンチグラフィ:体内の世界を映し出す技術

- シンチグラフィとはシンチグラフィは、ごくわずかな量の放射性物質を使って、体の中の臓器や組織がどのように働いているかを画像にする検査方法です。 検査を受ける際には、まず、特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持つ放射性物質を注射などで体内に入れます。すると、その放射性物質から放射線が出てきます。この放射線を体の外に置いた特殊な装置で捉え、コンピューターで処理することで、臓器や組織の形や働きが鮮明な画像として浮かび上がってくるのです。シンチグラフィは、心臓、肺、骨、甲状腺など、様々な臓器の検査に用いられています。 例えば、心臓のシンチグラフィでは、心臓の筋肉にどれだけ血液が行き渡っているか、また、心臓のポンプ機能に問題がないかなどを調べることができます。シンチグラフィで使われる放射線の量はごくわずかであるため、体への負担はほとんどありません。 また、検査時間も比較的短く、痛みもありません。そのため、安心して検査を受けることができます。