ニッケルカドミウム蓄電池:仕組みと用途
- ニッケルカドミウム蓄電池とはニッケルカドミウム蓄電池は、繰り返し充電して使用できる二次電池の一種で、一般的には「ニッカド電池」の愛称で親しまれています。その歴史は古く、19世紀末にスウェーデンの発明家ヴァルダーマール・ユングナーによって発明されました。ニッカド電池の内部では、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極にカドミウムが用いられています。そして、これらの電極を水酸化カリウムを主成分とした電解液が満たしており、電気化学反応によって充放電を行います。ニッカド電池は、古くから様々な用途で利用されてきました。その理由として、低温環境でも比較的安定した性能を発揮すること、過放電や過充電に対する耐久性が高いこと、そしてメモリー効果と呼ばれる容量低下が少ないことなどが挙げられます。しかしながら、近年ではより高容量で環境負荷の低いニッケル水素電池やリチウムイオン電池の登場により、ニッカド電池の利用は減少傾向にあります。また、カドミウムは人体や環境に対して有害であるため、廃棄時には適切な処理が必要となります。