プルトニウムスポット

核燃料

原子力発電におけるプルトニウムスポットとは

原子力発電所では、ウラン燃料だけでなく、プルトニウムとウランを混ぜ合わせた燃料(MOX燃料)も使われています。MOX燃料を作る過程では、プルトニウムとウランを酸化物にして粉末にし、混ぜ合わせる工程があります。しかし、ここでプルトニウムの粉末の粒子が粗いまま燃料を作ってしまうと、原子炉の中で「プルトニウムスポット」と呼ばれる現象が起きることがあります。プルトニウムスポットとは、一体どういう現象なのでしょうか。簡単に言うと、プルトニウムはウランよりも反応しやすい性質を持っています。そのため、プルトニウムの粒子が粗いと、その部分だけ反応が活発になり、局所的に高温になるスポットができてしまうのです。これが「プルトニウムスポット」と呼ばれる現象です。プルトニウムスポットは、原子炉の安全運転に影響を与える可能性があります。スポットは周囲よりも高温になるため、燃料の劣化を早めてしまう可能性があります。また、最悪の場合、燃料の破損に繋がる可能性も懸念されています。このような問題を防ぐため、MOX燃料の製造では、プルトニウムの粉末の粒子の大きさを一定以下にするなど、厳しい品質管理が行われています。原子力発電は、安全性を第一に考え、様々な対策を講じることで成り立っているのです。