ラド

放射線について

もう使われていない放射線量単位「ラド」

放射線は、私たちの目には見えませんし、音や匂いもなく、触れることもできません。しかし、物質にぶつかると、その物質にエネルギーを与えます。 目に見えない放射線が物質に与える影響を測るために、「吸収線量」という概念が使われます。 物質が放射線を浴びると、そのエネルギーを吸収します。吸収線量は、物質1キログラムあたりに吸収されたエネルギーの量を表し、単位はグレイ(Gy)が使われます。 かつては「ラド」という単位が使われていましたが、現在ではグレイが国際的に標準とされています。1グレイは1キログラムの物質が1ジュールのエネルギーを吸収したことを示します。 吸収線量は、放射線が人体に与える影響を評価する上でも重要な指標となります。同じ線量を浴びたとしても、放射線の種類やエネルギー、体のどの部分にあたったかによって、生物学的な影響は異なります。その違いを考慮して、人体への影響を評価する際には、吸収線量に放射線の種類や組織への影響度合いを考慮した線量係数をかけた「等価線量」や、さらに複数臓器への影響を考慮した「実効線量」といった概念が用いられます。
放射線について

放射線の単位:グレイ

- グレイとはグレイ(Gy)は、放射線が物質に照射された際に、物質1キログラムあたりにどれだけのエネルギーが吸収されたかを示す単位です。放射線自体は目に見えませんが、物質に当たるとエネルギーを伝えます。この吸収されたエネルギー量を数値化したものがグレイであり、国際単位系(SI)においても採用されています。従来は、放射線の影響を調べる際、「ラド」という単位が用いられていました。しかし、グレイはラドに比べてより正確に放射線の影響を評価できることから、現在ではグレイが広く使われています。1グレイは1ジュール(J)のエネルギーが1キログラム(kg)の物質に吸収されたことを表します。ただし、放射線が生体に与える影響は、吸収されたエネルギー量だけでなく、放射線の種類やエネルギーの大きさによっても異なります。そのため、放射線防護の観点からは、グレイを基に、放射線の種類による影響の違いを考慮したシーベルト(Sv)という単位も用いられます。