原子力発電の riesgos: レッドオイルとは
- レッドオイルとは何か原子力発電所では、電気を生み出すために核燃料が使われています。使い終わった後の核燃料を「使用済み核燃料」と呼びますが、これはまだウランやプルトニウムといったエネルギーを生み出すことができる物質を含んでいます。そこで、再び燃料として利用するために、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す作業が行われます。これを「再処理」と言います。再処理の過程では、リン酸トリブチル(TBP)という薬品が使われます。TBPは油のような液体で、使用済み核燃料からウランやプルトニウムだけを効率良く取り出すことができるため、再処理には欠かせないものです。しかし、このTBPは、再処理の過程で熱や放射線の影響を受けて劣化し、硝酸や硝酸塩といった物質と反応してしまうことがあります。すると、赤い油のような液体が発生することがあり、これが「レッドオイル」と呼ばれています。レッドオイルは、その名の通り赤い色をしていますが、ただ赤いだけでなく危険な物質でもあります。レッドオイルは、TBPが変化してできたニトロ化合物を含んでおり、このニトロ化合物は温度が少し上がっただけでも爆発する危険性があります。そのため、レッドオイルが発生すると、再処理工場では安全を確保するために、直ちに作業を停止しなくてはなりません。レッドオイルは、再処理を行う上で注意が必要な物質です。原子力発電は、電気を安定して供給できるという利点がある一方で、このような危険な物質を扱う必要があるという側面も持ち合わせています。