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西気東輸プロジェクト:中国のエネルギー戦略

- プロジェクトの概要「西気東輸」プロジェクトは、中国のエネルギー事情を抜本的に改革する可能性を秘めた、壮大な国家プロジェクトです。 その名の通り、天然ガス資源が豊富な西部の地域から、エネルギー需要が高く供給が不足している東部の沿岸地域へ、天然ガスを輸送することを目的としています。このプロジェクトの要となるのが、全長約4,200kmにも及ぶ長距離天然ガスパイプラインです。 これは、まさに中国大陸を横断する大動脈と言えるでしょう。 起点となるのは、新疆ウイグル自治区に位置するタリム盆地です。 この地域は広大なタクラマカン砂漠が広がり、厳しい自然環境下にありますが、豊富な天然ガス資源を有することで知られています。 パイプラインは、このタリム盆地から出発し、幾多の山脈や河川を横断しながら東へと延びていきます。 そして、最終的に経済活動の中心地である上海市へと到達します。「西気東輸」プロジェクトは、単にエネルギーを輸送するだけのプロジェクトではありません。 これは、中国全体の経済発展、地域間の格差解消、そして環境問題の改善にも大きく貢献することが期待されています。
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中国の原子力開発を担う中核集団公司

1988年、中国は政府の改革の一環として、原子力の軍事利用ではなく、発電などの平和的な目的のために活用していくという方針を明確に打ち出しました。その方針を実現するために設立されたのが中国核工業総公司、通称CNNCです。 CNNCは、原子力に関するあらゆる活動を総合的に担う組織として誕生しました。具体的には、原子力の基礎研究や新しい技術の開発はもちろんのこと、原子力発電所の設計・建設、原子炉の運転や維持管理、さらには原子力関連の機器や技術の輸出まで、その事業範囲は多岐にわたります。 こうして、CNNCは中国における原子力産業の中心的な役割を担う存在となり、その後の中国における原子力発電の急速な発展を支える原動力となっていきました。中国の原子力産業は、軍事利用から平和利用へと大きく舵を切り、CNNCはその先頭に立って、中国の経済発展とエネルギー安全保障に貢献していくことになります。