代替エネルギー

その他

エネルギー安全保障と原子力発電

1970年代、世界は二度の大規模な石油危機に直面しました。これは、私たち人類にとって、エネルギー資源の重要性と、その供給源の不安定さを改めて認識させられる出来事となりました。特に1973年の第一次石油危機は、中東戦争を背景に、産油国が原油の価格を操作したことで、世界の石油供給に大きな混乱が生じました。その結果、原油価格は以前の数倍にまで高騰し、日本を含む多くの国で深刻な経済混乱が発生しました。人々の生活にも大きな影響が出ました。物資不足や価格高騰が社会問題となり、省エネルギーが強く叫ばれるようになったのもこの頃からです。 続く1978年の第二次石油危機は、イラン革命による政情不安が原因でした。この危機により、再び原油価格が高騰し、世界経済は再び大きな打撃を受けました。日本では、石油への依存度が非常に高かったことから、特に大きな影響を受けました。この二度の石油危機は、日本経済の脆弱性を露呈させるとともに、エネルギー源の多角化と安定供給の確保が、国の将来を左右する重要課題であることを、私たちに突きつけました。この経験を教訓に、日本は石油に代わるエネルギーの開発と導入に積極的に取り組み始めました。原子力発電の開発も、その取り組みの一つです。