万能元素パラジウム:その特性と用途
パラジウムは、元素記号Pdで表され、原子番号46番の白金族元素に属する金属です。この金属は、その美しい銀白色の光沢から装飾品に利用されるだけでなく、様々な分野で重要な役割を担っています。
パラジウムの特徴として、まず挙げられるのはその融点の低さです。白金族元素の中でも特に融点が低く、約1555℃で溶解します。これは鉄の融点である約1538℃と比較しても低く、加工のしやすさにも繋がっています。また、パラジウムは比重が約12.03と、鉄の約7.87に比べてかなり大きいです。つまり、同じ体積で比較するとパラジウムは鉄よりもはるかに重く、手に持った際にはずっしりとした重みを感じます。
一方、硬さについてはモース硬度で4.8と、鉄の4と比較するとわずかに硬い程度です。これは、パラジウムが比較的柔らかい金属であることを示しています。
このように、パラジウムは美しい光沢、低い融点、高い比重、適度な硬さなど、多くの優れた特性を兼ね備えているため、宝飾品、自動車の排気ガス浄化装置、電子部品、化学工業など、幅広い分野で利用されています。