加圧器

原子力施設

原子炉の心臓部:加圧器の役割

- 加圧器とは原子力発電所の中でも、加圧水型原子炉(PWR)と呼ばれるタイプの原子炉において、加圧器は安全かつ安定した運転を行うために欠かせない重要な設備です。原子炉の中では、核燃料の核分裂反応によって膨大な熱が発生します。この熱を効率よく取り出すために、一次冷却水と呼ばれる水が原子炉の中を循環しています。この一次冷却水は、原子炉内で熱を吸収するため非常に高温になります。高温になると水は蒸発しようとして圧力が上昇しますが、原子炉の安定運転のためには、この圧力を一定に保つことが重要です。ここで加圧器が重要な役割を果たします。加圧器は、原子炉格納容器内に設置された、高さ10メートルを超える円筒形の巨大な容器です。内部には水と蒸気が入っていて、ヒーターで加熱することによって常に一定の圧力を保っています。一次冷却水が原子炉から加圧器に流れ込むと、加圧器内の蒸気と熱交換を行い、再び原子炉へと戻っていきます。このように、加圧器は一次冷却水の圧力を一定に保つことで、原子炉が安全かつ安定的に運転することを支えています。 加圧器は原子力発電所の心臓部と言えるでしょう。