化学

その他

原子力発電とpHの関係

- pHとは水溶液の性質を表す指標のひとつに、「pH(ピーエイチ)」があります。pHは、その水溶液が酸性なのか、アルカリ性なのか、あるいは中性なのかを示す尺度です。0から14までの数値で表され、ちょうど真ん中の7を中性として、それより数値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性となります。では、pHは具体的にどのような仕組みで決まるのでしょうか? 実は、水溶液中の水素イオンの濃度によって決まります。水素イオンとは、水素原子が正の電気を帯びた状態のものです。この水素イオンが多い、つまり水素イオン濃度が高い状態だとpHの値は小さくなり、酸性を示します。逆に、水素イオンが少ない、つまり水素イオン濃度が低い状態だとpHの値は大きくなり、アルカリ性を示します。私たちの身の回りには、様々なpHを持つ水溶液が存在します。例えば、レモンや梅干しのような酸っぱい食品はpHが低く酸性を示し、石鹸やセメントのようにヌルヌルとした食品はpHが高くアルカリ性を示します。そして、私たちが毎日飲む水は中性のpH7です。このように、pHは水溶液の性質を知る上で非常に重要な指標となっています。
核燃料

錯化合物:ウランと水溶性

- 錯化合物の基礎 物質の中には、金属イオンと、それを取り囲むように結合した非金属イオンや分子が存在するものがあります。このような化合物を錯化合物と呼びます。中心となる金属イオンを囲むように結合している非金属イオンや分子を配位子と呼び、配位子は電子対を提供することで金属イオンと結合します。このような結合を配位結合と呼びます。 金属イオンは、複数の配位子と配位結合することで、安定な構造を持つようになります。この安定な構造を持つイオンを錯イオンと呼びます。錯イオンは、金属イオン単独では見られない、特有の性質を示すことがあります。 錯化合物は、その特異な構造から、様々な分野で応用されています。例えば、化学反応を促進させる触媒、鮮やかな色を持つ顔料、病気の治療に用いられる医薬品など、私たちの身の回りで幅広く利用されています。
その他

錯イオン:金属イオンの隠れた姿

- 錯イオンとは金属イオンは、正の電荷を持っているため、周囲にある負の電荷を持ったイオンや分子に引き寄せられる性質があります。この時、金属イオンに他のイオンや分子がくっついて、一つのまとまりとなることがあります。これを錯イオンと呼びます。くっつくイオンや分子のことを配位子、くっつく数を配位数と呼びます。 錯イオンは、金属イオンと配位子の組み合わせによって、様々な色や形、性質を示します。例えば、水に溶けやすいもの、溶けにくいもの、磁石に引き寄せられるもの、特定の波長の光を吸収するものなど、多様な性質を示します。 私たちの身の回りにも、錯イオンは数多く存在しています。例えば、植物の光合成に欠かせないクロロフィルは、マグネシウムイオンを中心とした錯イオンです。クロロフィルは、太陽光を吸収し、光合成に必要なエネルギーに変換する役割を担っています。また、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンは、鉄イオンを中心とした錯イオンです。ヘモグロビンは、肺で酸素と結合し、全身の細胞に酸素を運んでいます。 このように、錯イオンは生物にとって非常に重要な役割を果たしているだけでなく、化学工業の分野でも、触媒や顔料、分析試薬など、様々な用途に利用されています。
その他

原子力発電とコロイド:意外な関係性

- コロイドの世界目に見えない粒子の大きな役割 私たちの身の回りには、牛乳やマヨネーズ、インクなど、一見すると何の変哲もないものがたくさんあります。しかし、これらの物質をよく見ると、肉眼では決して見ることができない、非常に小さな粒子がたくさん集まってできていることがわかります。このような、物質が非常に小さな粒子の形で、別の物質の中に均一に分散している状態のことを、コロイドと呼びます。 コロイドの粒子は、どれくらい小さいのでしょうか?その大きさは、わずか1ナノメートルから500ナノメートル程度しかありません。1ナノメートルは10億分の1メートルという、想像を絶する小ささです。そのため、コロイド粒子は肉眼はもちろんのこと、光学顕微鏡を用いても観察することができません。 では、コロイド粒子は一体何でできているのでしょうか?コロイド粒子は、原子や分子が多数集まってできており、その数は1000個から10億個にも達します。このように、非常に多くの原子や分子が集まっているにもかかわらず、コロイド粒子は非常に小さく、安定して分散しているため、私たちの目には均一な液体や固体に見えるのです。 コロイドは、私たちの身の回りだけでなく、自然界にも広く存在しています。例えば、雲や霧は空気中に水滴が分散したコロイドであり、私たちの血液も赤血球や白血球などの細胞が血漿中に分散したコロイドです。このように、コロイドは私たちの生活に欠かせない様々な物質や現象に深く関わっているのです。
その他

光化学反応:光のエネルギーが織りなす化学の世界

- 光化学反応とは光化学反応とは、物質が光を吸収することによって引き起こされる化学反応のことです。光は私たちにとって、物を照らし、色を認識することを可能にするものですが、それだけではありません。光はエネルギーを持っているため、物質に照射されると、そのエネルギーを物質に与えることができます。物質はこの光エネルギーを受け取ることで、通常の状態よりもエネルギーの高い状態、つまり活性化状態になります。活性化状態になった物質は、熱エネルギーだけでは起こすことのできない化学変化を起こすことができます。 このような、光エネルギーを利用して起こる化学反応が光化学反応です。光化学反応の身近な例としては、植物が行う光合成が挙げられます。植物は、太陽光から光エネルギーを受け取り、そのエネルギーを使って水と二酸化炭素からデンプンや酸素を作り出しています。私たちが毎日食べているお米やパン、野菜なども、元をたどれば太陽の光エネルギーから作られたものと言えるでしょう。光合成以外にも、私たちの身の回りには、光化学反応を利用したものがたくさんあります。 写真撮影では、フィルムやデジタルカメラのセンサーに光が当たることで化学反応が起き、画像として記録されます。太陽電池は、光エネルギーを電気に変換する装置であり、ここでも光化学反応が重要な役割を担っています。 また、私たちがものを見ることができるのも、目の網膜で起こる光化学反応のおかげです。このように、光化学反応は私たちの生活に欠かせない様々な現象に関わっており、エネルギー問題や環境問題の解決にもつながる重要な分野として、現在も盛んに研究が進められています。
その他

物質量の単位:モル

- モルとは私たちの身の回りには、目に見えるものから見えないものまで、様々な物が溢れています。これらの物は、全て原子や分子と呼ばれる小さな粒子が集まってできています。原子や分子はとても小さく、その数は膨大になるため、そのまま扱うのは大変です。そこで登場するのが「モル」という単位です。モルは、鉛筆を12本まとめて「1ダース」と呼ぶように、原子や分子をまとめて数えるための単位です。1ダースが12本であるように、1モルは6.022 × 10²³個という膨大な数の粒子を表します。この6.022 × 10²³という数は「アボガドロ定数」と呼ばれ、物質量の単位であるモルを定義する上で重要な役割を担っています。モルという単位を使うことで、私たちは膨大な数の原子や分子を容易に扱うことができます。例えば、水素原子1モルは1.0g、酸素原子1モルは16.0gといったように、モルを用いることで原子の質量を簡単に比較することができます。このように、モルは化学の世界において、物質の量を理解し、化学反応などを扱う上で欠かせない概念となっています。