原子物理学

その他

電気の流れを担う自由電子

私たちの身の回りに存在するありとあらゆる物質は、原子と呼ばれる小さな粒が集まってできています。原子の中心には原子核があり、その周りを電子がぐるぐると回っています。電子は目には見えないほど小さく、マイナスの電気を持っています。一方、原子核はプラスの電気を持っています。電気には、プラスとプラス、マイナスとマイナスは反発し合い、プラスとマイナスは引き付け合うという性質があります。そのため、マイナスの電気を持つ電子は、プラスの電気を持つ原子核に引き付けられて、その周りを回っているのです。 多くの場合、電子はこの原子核の引力に強く束縛されていて、自由に動き回ることはできません。しかし、物質によっては、原子核の束縛を振り切って自由に動き回れる電子も存在します。このような電子のことを自由電子と呼びます。自由電子は、物質の中をまるで空気中を漂うように自由に動き回ることができます。この自由電子の動きが、電気の流れを生み出すのです。電気は私たちの生活に欠かせないものですが、それは物質の中を自由に動き回る小さな電子の働きによるものなのです。
その他

静止質量: エネルギーの根源

私たちが普段、「質量」と聞いて思い浮かべるのは、物体が静止している時の重さのことです。これは「静止質量」と呼ばれ、物がどれくらい動きにくいかを表す指標として、私たちの日常生活で広く認識されています。 例えば、持ち上げるのが大変な石は、静止質量が大きいため動かしにくく感じます。反対に、風で簡単に飛んでしまう羽根は、静止質量が小さいため、少しの力でも大きく動いてしまいます。 このような、静止状態での質量は、ニュートン力学という学問分野で古くから研究されてきました。私たちが普段経験するような、光の速さに比べて非常に遅い速度で動く物体においては、この静止質量だけで十分に運動の様子を説明することができます。そのため、日常生活で質量について考える際、特別に意識する必要はありません。