RBI:原子力施設における在庫管理の進化
- RBIとはRBIはRunning Book Inventoryの略で、日本語では工程内帳簿在庫と訳されます。 これは、原子力施設のように厳格な在庫管理が求められる場所で、核物質の在庫をリアルタイムで追跡するためのシステムです。 原子力施設では、ウランやプルトニウムといった核物質が発電に使用されます。これらの物質は、厳重に管理されなければ、盗難や紛失、あるいは不正な使用といったリスクが伴います。RBIは、こうしたリスクを最小限に抑えるために、核物質の量や所在を常に把握できるように設計されています。RBIは、1950年代にアメリカで初めて導入されました。当時、冷戦の緊張が高まる中で、核物質の管理強化が喫緊の課題となっていました。RBIは、従来の定期的な棚卸しではなく、リアルタイムでの追跡を可能にすることで、核物質管理の精度と効率を飛躍的に向上させました。 このシステムの導入により、核物質の不正な移動や使用を早期に発見することができるようになり、国際的な原子力安全体制の強化にも大きく貢献しました。 その後、RBIは世界中の原子力施設で広く採用されるようになり、現在では、国際原子力機関(IAEA)も加盟国に対してRBIの導入を推奨しています。RBIは、原子力施設の安全確保に不可欠なシステムとして、今後も重要な役割を担っていくと考えられます。