季節変動

その他

夏の電力需要と最大電力

私たちが毎日使う電気は、常に一定の量が使われているわけではありません。時間帯や季節によって、その使用量は大きく変化します。例えば、真夏の昼間は、多くの家庭やオフィスでエアコンがフル稼働するため、電力使用量は一気に増加します。逆に、電気の使用量が減る時間帯もあります。深夜などは、多くの企業が操業を停止し、人々が寝静まっているため、電力需要は大きく低下します。 このように電力の使用量は常に変動していますが、電力会社は、いつ電気が必要とされても、安定して電気を供給する義務があります。そこで重要になるのが「年間の最大電力」です。これは、一年を通じて最も電力消費量が多くなる時間帯の電力のことを指します。多くの場合、年間の最大電力は、気温が上昇し、エアコンの使用がピークに達する夏季の昼過ぎに出現します。 年間の最大電力は、電力会社にとって非常に重要な指標となります。なぜなら、電力会社は、この最大電力需要に備えて、発電所の規模を決定したり、電力設備を設計したりする必要があるからです。もし、年間の最大電力を見誤り、電力供給能力が不足してしまうと、電力不足に陥り、私たちの生活に大きな支障をきたすことになります。そのため、電力会社は、過去の電力使用量のデータなどを分析し、将来の電力需要を予測することで、年間の最大電力を正確に把握し、安定した電力供給体制を構築しています。
原子力発電の基礎知識

電気出力アップ!熱出力一定運転とは?

原子力発電は、物質の根源である原子の中に潜むエネルギーを利用して電気を作る発電方法です。火力発電のように燃料を燃やすのではなく、ウランやプルトニウムといった原子量の重い物質が核分裂する際に放出される莫大なエネルギーを利用するのが特徴です。 原子力発電所の中心には原子炉があり、ここで核分裂反応が制御されながら連続的に起こります。核分裂反応を起こすと、膨大な熱が発生し、原子炉内の水を高温高圧の蒸気へと変えます。この高温高圧の蒸気がタービンと呼ばれる巨大な羽根車を勢いよく回転させます。タービンは発電機とつながっており、タービンの回転運動が発電機に伝わることで、電気エネルギーが作り出されます。 原子力発電は、石油や石炭などの化石燃料を燃やす火力発電と比べて、二酸化炭素の排出量が格段に少ないという利点があります。地球温暖化対策として注目されていますが、一方で、ひとたび事故が起こると、放射性物質が拡散し、環境や人々の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるという側面も持ち合わせています。