実効増倍率

原子力発電の基礎知識

原子炉の反応度:バランスが重要です

- 原子炉の反応度とは?原子炉は、ウランなどの核燃料が核分裂を起こす際に生じる莫大なエネルギーを利用して、熱と電力を作っています。この核分裂反応は、中性子と呼ばれる粒子が核燃料に衝突することで連鎖的に発生します。原子炉の反応度とは、この核分裂の連鎖反応がどれくらい持続するかを表す指標です。反応度は、プラスとマイナスの値で表されます。プラスの反応度は、核分裂の連鎖反応が時間とともに増加することを意味し、原子炉の出力が上昇する状態を示します。逆に、マイナスの反応度は、核分裂の連鎖反応が時間とともに減少することを意味し、原子炉の出力が低下する状態を示します。反応度がゼロの状態は、核分裂の連鎖反応が一定に保たれている状態であり、原子炉は安定して稼働しています。原子炉の運転において、この反応度を適切に保つことは非常に重要です。反応度が高すぎると、原子炉の出力が制御できないほど上昇し、炉心損傷などの深刻な事故につながる可能性があります。一方、反応度が低すぎると、原子炉が停止してしまうため、安定したエネルギー供給ができなくなります。そのため、原子炉には制御棒などの設備が備わっており、反応度を調整することで、安全かつ安定した運転を維持しています。
原子力発電の基礎知識

原子力発電の要:臨界とは?

原子力発電所の中心部には、原子炉と呼ばれる巨大な装置が存在します。この原子炉の中で、ウランやプルトニウムといった核燃料物質が莫大なエネルギーを生み出しています。原子力発電の原理となるのが、核分裂と呼ばれる現象です。 ウランやプルトニウムのような非常に重い原子核に、電気的にプラスでもマイナスでもない中性子と呼ばれる粒子がぶつかると、原子核は不安定になり、二つ以上の軽い原子核に分裂します。これが核分裂です。このとき、分裂した原子核は、莫大なエネルギーと同時に、新たな中性子を放出します。 驚くべきことに、この新たに放出された中性子は、再び別のウランやプルトニウムの原子核に衝突し、さらなる核分裂を引き起こします。このようにして、次々と核分裂が連続して起こる現象を、核分裂連鎖反応と呼びます。核分裂連鎖反応が制御された状態で安定的に継続することによって、原子炉の中では膨大な熱エネルギーが作り出され、発電に利用されているのです。