
日本のCO2排出抑制目標:歴史と展望
日本の二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みは、1990年10月に策定された「地球温暖化防止行動計画」から始まりました。地球温暖化問題が深刻化する中、その原因となる温室効果ガスの排出を抑制するために、日本として初めて具体的な行動計画を打ち出したのです。この計画は、経済成長と環境保全の両立を目指し、当時の日本の社会経済状況を考慮して策定されました。具体的な目標として、2000年以降も国民一人当たりの二酸化炭素排出量を1990年の水準に維持することを掲げました。これは、経済成長を続けながらも、省エネルギー技術の導入やライフスタイルの見直しなどを通じて、二酸化炭素の排出量増加を抑えようという意欲的な目標でした。この計画は、その後の日本の地球温暖化対策の基礎となり、今日まで続く様々な取り組みの出発点となりました。