原子力とフリーラジカル
- フリーラジカルとは原子や分子は中心にある原子核と、その周りを回る電子で構成されています。電子は通常、二つずつペアになって安定した状態を保っています。しかし、様々な要因でこのペアが壊れてしまい、電子が一つだけになってしまうことがあります。このような状態の原子や分子を-フリーラジカル-と呼びます。フリーラジカルは、ペアになっていない電子を一つ持っているため、非常に不安定な状態です。そのため、周りの物質から電子を奪い取って、自身を安定させようとします。この時に、周りの物質が酸化され、ダメージを受けてしまうのです。私たちの体内で発生するフリーラジカルの代表的な例としては、日光浴などで浴びる紫外線や、レントゲン撮影の際に浴びるX線によって水分子が分解され、発生することが知られています。また、タバコの煙や排気ガス、激しい運動、ストレス、食品添加物なども、体内でフリーラジカルを発生させる原因となります。フリーラジカルは、老化や様々な病気の原因の一つと考えられています。しかし、私たちの体内には、フリーラジカルによる酸化ダメージを抑制する仕組みも備わっています。バランスの取れた食事や適度な運動、ストレスを溜めない生活を心がけることが、フリーラジカルによる影響を抑え、健康を維持するために重要です。