日負荷曲線

原子力発電の基礎知識

原子力発電の負荷追従運転:課題と展望

私たちが日常生活で何気なく使用している電気は、常に一定の量が使われているわけではありません。例えば、朝起きて照明をつけたり、朝食を作ったりする時間帯には、家庭での電力使用量は増加します。また、日中は多くの工場やオフィスで電気が使われますが、夜はこれらの場所が閉鎖されるため、電力需要は減少します。さらに、夏の暑い日にはエアコンの使用量が増える一方で、冬の寒い日には暖房の使用量が増えるなど、気温の変化によっても電力需要は大きく変動します。 このように、電力需要は時間帯や季節、気象条件などによって常に変化しており、この変動に対応するために発電所は出力調整を行う必要があります。この発電所の出力調整を「負荷追従運転」と呼びます。負荷追従運転は、電力系統全体の需給バランスを維持し、安定した電力供給を実現するために非常に重要な役割を担っています。もし、電力需要に対して発電所の出力が不足してしまうと、電力不足に陥り、停電が発生する可能性があります。逆に、発電所の出力が電力需要を上回ってしまうと、電力系統に過剰な電力が流れ込み、設備の故障や事故に繋がる可能性があります。そのため、発電所は常に電力需要の変動を監視し、適切な出力調整を行う必要があるのです。
その他

電力ピークと原子力の役割

私たちが毎日使う電気は、発電所で作られて送られてきます。電気は貯めておくことが難しいため、需要と供給のバランスを常に保つことが重要です。しかし、電気の使用量は一日を通して常に一定ではなく、時間帯によって大きく変化します。この電気使用量の変動を表すグラフを日負荷曲線と呼びます。 日負荷曲線を見ると、ある特定の時間帯に電力需要が最も高くなる部分が確認できます。この電力需要のピークをピーク負荷と呼びます。一般的に、ピーク負荷は多くの企業が操業し、家庭でも電気を多く使う昼間に発生します。特に、多くの会社員が仕事をしている午後2時から4時頃がピークとなることが多いです。 ピーク負荷の時間帯は、発電所にとって非常に大きな負担となります。なぜなら、この時間帯の需要を満たすためには、通常よりも多くの発電量が必要となるからです。ピーク時の電力需要を満たすために、稼働率の低い火力発電所などを稼働させる場合もあり、経済的にも環境的にも負担が大きくなってしまいます。