気候モデリング

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海洋大循環モデル:海の謎を解き明かす

地球全体を巡る海の壮大な流れは、海洋大循環と呼ばれ、気候や生態系に大きな影響を与えています。しかし、その複雑な動きは、容易に理解できるものではありません。そこで、広大な海の姿をコンピュータの中に再現する試みが進められています。これが海洋大循環モデルです。 海洋大循環モデルは、海水温や塩分濃度、海流の速度といった様々な要素を、物理法則に基づいた方程式で表し、コンピュータで計算することで、海の状態を再現します。水温が高くなると海水は膨張し、塩分濃度が低くなると密度は小さくなります。また、風は海面に流れを生み出し、地球の自転は海流を曲げます。このように複雑に絡み合った要素を精密に計算することで、海の複雑な動きを再現しようとしています。 海洋大循環モデルは、気候変動予測や海洋汚染のシミュレーション、漁場予測など、様々な分野で活用されています。例えば、地球温暖化によって海水温や海流がどのように変化し、気候や生態系にどのような影響を与えるかを予測するために用いられています。さらに、海洋大循環モデルは、海の謎を解き明かすための強力なツールとして、日々進化を続けています。
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地球規模の気象を解き明かす:大気大循環モデル

- 大気大循環モデルとは 大気大循環モデル(AGCM)は、地球全体の複雑な大気の動きを、物理法則に基づいた数式を用いてコンピュータ上に再現する、いわば「地球シミュレーター」です。 天気予報と聞いて、多くの人が日常的に接する天気図を思い浮かべるでしょう。その天気予報を支える技術の一つが、この大気大循環モデルです。天気予報では数日から数週間先の天気を予測しますが、大気大循環モデルが扱う時間スケールは、さらに広範囲に及びます。数十年後、そして地球温暖化予測のように100年後の未来の大気状態さえも予測することができます。 大気は、温度、気圧、風向、湿度など、様々な要素が複雑に絡み合いながら変化する巨大なシステムです。大気大循環モデルは、これらの要素間の相互作用を、物理法則に基づいた数式で表現し、スーパーコンピュータを用いて計算することで、過去から未来への大気状態の変化を再現・予測します。そして、その予測結果は、天気予報だけでなく、気候変動予測や環境問題の研究など、様々な分野で活用されています。