気象観測

その他

超音波装置:目に見えない音の波の力

- 超音波の世界私達の耳には、太鼓を叩いたり、鳥がさえずったりする音が聞こえます。これらは空気の振動が鼓膜を揺らすことで、音として認識されています。しかし、世の中には、私達の耳では聞くことのできない高い音があります。それが、1秒間に1万6千回以上も振動する超音波です。超音波は、人間の可聴範囲を超えた高い振動数を持つ音波です。この音波は、私達には聞こえませんが、様々な分野で驚くべき力を発揮しています。例えば、医療の現場では、お腹の中の赤ちゃんの様子を映し出すエコー検査や、体内の結石を破壊する治療などに利用されています。また、工業分野では、金属やプラスチックの内部の傷を見つけたり、部品を洗浄したりするなど、様々な用途で利用されています。超音波は、空気中よりも水中や固体中の方がより遠くまで伝わるという性質があります。この性質を利用して、海中では魚群探知機や海底の地形を探査する測深機に、また、地中では地層の構造を調べる調査などにも活用されています。このように、超音波は私達の生活の様々な場面で役立っています。目には見えない音の力が、私達の生活をより豊かに、そして安全にしていると言えるでしょう。
原子力の安全

原子力防災とアメダス:目に見えない脅威への備え

「地域気象観測システム」略して「アメダス」は、私たちの日常生活に欠かせない気象情報を提供するシステムです。全国各地に配置された観測所では、雨量、風向・風速、気温、日照時間といった様々な気象要素が自動的に観測され、リアルタイムで情報発信されています。アメダスは、局地的な豪雨や突風など、私たちの生活に直接影響を及ぼす気象現象をいち早く捉え、防災情報の発令に役立てられています。例えば、集中豪雨が予想される場合、アメダスの観測データに基づいて、河川の氾濫や土砂災害などの危険性をいち早く察知し、住民に避難を呼びかけることができます。また、アメダスは、農業や漁業など、気象条件に左右されやすい産業にとっても重要な役割を担っています。農家はアメダスの情報をもとに、農作物の種まきや収穫の時期を判断したり、適切な水やりを行ったりすることができます。漁師は、アメダスの風や波の情報を参考に、安全な漁に出ることができるかどうかを判断します。このようにアメダスは、私たちの生活の安全を守り、様々な産業を支える上で、必要不可欠な情報基盤となっています。
その他

地球全体の気候を監視する仕組み – 全球気候観測システム

地球温暖化に代表される気候変動は、私たちの社会や生態系に様々な影響を与える深刻な問題です。この問題に取り組むためには、地球全体の気候変動を正確に把握することが何よりも重要になります。そこで、世界気象機関(WMO)など国際機関によって1992年に設立されたのが、全球気候観測システム、英語名Global Climate Observing System、略称GCOSです。 GCOSは、世界中の様々な機関が協力して気候に関するデータを集め、そのデータを分析して気候変動の実態を解明し、将来予測を行うための国際的な枠組みを提供しています。 具体的には、GCOSは気候観測の対象となる要素(気温、降水量、海水面高度、二酸化炭素濃度など)や、観測データの精度、観測頻度などを定め、世界共通の基準で気候観測が行われるように努めています。 集められたデータは、世界中の研究機関に提供され、気候変動に関する研究や将来予測に活用されます。さらに、GCOSは、観測データに基づいて気候変動に関する報告書を作成し、国際社会や政策決定者に科学的な情報を提供する役割も担っています。 GCOSの活動は、気候変動対策を進める上で非常に重要な役割を果たしており、国際社会全体で協力してGCOSを支援していく必要があります。