原子力発電の立役者:イオン交換樹脂
- イオン交換樹脂とは?
イオン交換樹脂とは、水に溶けている物質の中から、特定の種類のイオンだけを取り出して、代わりに別のイオンを放出するという、不思議な力を持った物質です。
例えるなら、お店で買い物をする時、お金を渡して商品を交換してもらうように、イオン交換樹脂は特定のイオンとだけ交換できる、物質レベルの「交換屋さん」のようなものと言えるでしょう。
顕微鏡で拡大して見てみると、イオン交換樹脂は網目状の構造を持つ、とても小さな粒でできています。この網目に、イオンを出し入れできる特別な場所「交換基」がたくさんくっついており、この交換基の種類によって、どんなイオンと交換したいのかを決めることができます。
例えば、プラスの電気を帯びたイオンと交換したい場合は「陽イオン交換樹脂」を、マイナスの電気を帯びたイオンと交換したい場合は「陰イオン交換樹脂」を使います。
このように、イオン交換樹脂は、まるでイオンを選り分ける「ふるい」のように、水溶液中の特定のイオンだけを操作できるので、様々な分野で活用されています。