氷床

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地球環境を左右する? 深海からのメッセージ:周極深層水

広大な海は、太陽光が届き、様々な生物が暮らす表層と、光が届かない暗黒の世界である深海に分けられます。一般的に水深200メートルより深い場所を指す深海は、地球の表面積の約7割を占める広大な領域です。 深海には、表層とは全く異なる環境が広がっており、そこに存在する海水は「深層水」と呼ばれています。深層水は、表層水よりも冷たく、塩分濃度が高く、豊富な栄養分を含んでいるという特徴があります。 この深層水は、地球規模の海洋大循環によって、長い年月をかけてゆっくりと移動しています。表層水とは異なり、深層水は太陽光による熱の影響を受けにくいため、水温はほぼ一定で、2~4℃と非常に冷たい状態です。また、深層水は、生物の死骸などが分解される過程で生じる栄養塩が豊富に含まれており、 地球全体の環境や生態系に大きな影響を与えていると考えられています。 近年、この深層水に注目が集まっています。豊富な栄養塩を利用した水産養殖や、冷たい海水を利用したエネルギー開発など、深層水は様々な可能性を秘めた資源として期待されています。しかし、深層水は地球環境において重要な役割を担っているため、その利用には慎重な検討が必要です。
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氷床涵養率と地球温暖化

- 氷床涵養率とは 氷河や氷床といった巨大な氷の塊は、常に変化しています。氷床涵養率は、その変化、特に氷床がどれだけ成長しているかを表す重要な指標です。 涵養とは、氷床においては主に降雪が氷へと変化することを指します。 氷床は、雪が降り積もり、それが自らの重さで圧縮されることで形成されます。この時、新しい雪が氷へと変わることで、氷床は大きく、そして厚みを増していくのです。 つまり、涵養率が高いということは、それだけ多くの雪が氷へと変わり、氷床が成長していることを意味します。 涵養率は、具体的な数値として算出されます。 まず、一定期間における氷床への降雪量を計測します。そして、その増加量を氷床全体の面積で割ることで、単位面積あたり、単位時間あたりの氷の増加量が算出されます。 この値が大きいほど、活発に氷床が成長していると言えるわけです。 氷床涵養率は、地球温暖化による気候変動の影響を調べる上で非常に重要な指標となります。温暖化によって氷床が縮小しているという報告がある一方で、涵養率の変化は地域によって異なり、一概に断言することはできません。そのため、今後も継続的な観測と分析が必要とされています。
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地球環境と氷床:温暖化がもたらす影響

広大な陸地を覆い尽くす巨大な氷の塊、それが氷床です。その大きさは想像を絶するもので、なんと5万平方キロメートル以上の面積を持つものを指します。これは東京ドームの約100万倍という途方もない広さです。 現在、地球上に存在する氷床は、南極大陸とグリーンランドのたった二つだけです。 その中でも、南極氷床は地球上で最大の氷の塊であり、面積は日本の約37倍にも及びます。 氷床は、長い年月をかけて降り積もった雪が、自らの重みで押し固められて形成されます。 氷床の表面は、まるで巨大な天然のダムのように、膨大な量の水を蓄えています。もしも、この氷床が全て溶けてしまうと、海水面が上昇し、世界中の coastal areas は水没してしまうと言われています。 このように、氷床は地球の環境に大きな影響を与えているため、その変化を注意深く監視していく必要があります。