原子力発電におけるシビアアクシデントとは?
- シビアアクシデントの定義原子力発電所は、安全を最優先に設計・運転されています。しかし、万が一に備え、設計段階で想定されている事象をはるかに超える深刻な事故、すなわち「シビアアクシデント」についても検討が重ねられています。シビアアクシデントとは、原子炉の安全確保のために通常講じられている対策をもってしても、炉心の冷却や核分裂反応の制御が不可能となる事態を指します。これは、地震や津波といった外部事象や、機器の故障、人的ミスなど、様々な要因が重なり発生する可能性があります。シビアアクシデント発生時には、炉心内の燃料が高温となり、炉心融解に至る可能性があります。炉心融解とは、燃料が溶け落ちる現象であり、放射性物質を含む大量の蒸気やガスが発生するなど、深刻な事態を引き起こす可能性があります。原子力発電所において、シビアアクシデントは発生頻度は極めて低いものの、最も深刻なリスクとして認識されています。そのため、シビアアクシデントの発生防止対策はもちろんのこと、万が一発生した場合でも、その影響を最小限に抑えるための対策も講じられています。