原子力電池: 長期にわたるエネルギー供給
- 原子力電池とは
原子力電池は、放射性物質がもつエネルギーを電力に変換する、小型で長寿命な発電装置です。
従来の電池は、化学反応によって電気を生み出します。例えば、乾電池では、亜鉛と二酸化マンガンが化学反応を起こすことで電流が流れます。
一方、原子力電池は、放射性物質が崩壊する際に生じるエネルギーを利用して発電します。
放射性物質とは、ウランやプルトニウムのように、原子核が不安定で、放射線を出しながら別の原子に変化していく物質のことです。この原子核が変化する現象を「崩壊」と呼び、このとき莫大なエネルギーが放出されます。原子力電池は、この崩壊エネルギーを電力に変換する仕組みです。
原子力電池は、従来の電池に比べて、小型軽量ながら長期間にわたって安定した電力を供給できるという利点があります。そのため、人工衛星や宇宙探査機、医療機器など、長期にわたって安定した電力供給が必要とされる分野で活躍が期待されています。
また、近年では、環境負荷の低いエネルギー源としても注目されています。