原子炉の精密構造:ワイヤスペーサーの役割
原子力発電所では、燃料を無駄なく使うことがとても大切です。発電効率を高めるために、ナトリウム冷却高速増殖炉(FBR)では、燃料を効率よく燃やす工夫がされています。
FBRでは、燃料ピンと呼ばれる棒状の燃料を束にして燃料集合体を作ります。この燃料集合体は、出来るだけ多くの燃料ピンを詰め込むことで、炉心内の燃料の密度を高めています。燃料ピン同士の間隔を狭くすることで、より多くの燃料を炉心に装荷することができ、その結果、炉心の出力密度を高めることが可能となります。
燃料ピンは、三角形の形に規則正しく並べられており、その間を液体ナトリウムが流れ冷却しています。
燃料集合体の高密度化は、FBRの重要な技術の一つであり、燃料の増殖性能の向上に大きく貢献しています。燃料の増殖性能とは、燃料として使用できるウラン238をプルトニウム239に変換する能力のことです。高密度化により、この変換効率を高めることができます。
このように、燃料集合体の高密度化は、原子力発電の効率を高め、資源の有効利用に繋がる重要な技術です。