環境政策

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イギリスの省エネ術!最適技術プログラムのご紹介

世界中で地球温暖化への対策が急務となる中、イギリスは積極的に低炭素社会の実現を目指した取り組みを推進しています。その中でも特に注目すべきは、環境運輸地方省が主導する『省エネルギー最適技術プログラム(EEBPP)』です。 このプログラムは1989年から続く長い歴史を持ち、企業や個人が省エネルギー活動に取り組みやすい環境作りを目的としています。具体的には、エネルギー消費量削減に効果的な技術やノウハウに関する情報を提供したり、専門家によるアドバイスやセミナーを開催したりすることで、参加者の行動を後押ししています。 EEBPPは、長年にわたりイギリス国内の企業や個人の意識改革を促し、省エネ意識の向上に大きく貢献してきました。その結果、イギリスは世界的に見てもエネルギー効率の高い国の一つとして認められています。また、このプログラムは単に情報を提供するだけでなく、参加者同士のネットワーク構築を支援する役割も担っており、参加者は互いに協力し合いながら省エネ活動に取り組むことができます。 イギリス政府は、EEBPPのような積極的な取り組みを通じて、低炭素社会の実現に向けて着実に前進しています。そして、その経験は世界各国にとっても貴重な教訓となるでしょう。
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地球温暖化対策と京都メカニズム

1997年、日本の京都で開かれた国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)。この会議で採択されたのが、地球温暖化対策の国際的な枠組みを定めた京都議定書です。京都議定書は、地球温暖化を引き起こす原因となる温室効果ガスの排出量を削減し、気候変動問題に世界全体で取り組むことを目的としていました。 具体的な取り組みとして、京都議定書では、先進国に対して2008年から2012年までの期間を第一約束期間とし、それぞれの国が排出できる温室効果ガスの総量の上限を定めました。これは、それぞれの国の事情を考慮した上で、1990年の排出量と比較して削減目標の数値が決められました。この議定書の採択は、気候変動問題に対する国際社会の意識の高まりを示すとともに、各国が協力して地球環境問題に取り組むための大きな一歩となりました。
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共通排出量取引制度:地球温暖化対策の切り札となるか

- 排出量取引制度とは排出量取引制度は、企業が排出できる温室効果ガスの量をあらかじめ決められた枠内に収めることを目的とした制度です。この制度では、企業ごとに排出枠が割り当てられます。もし、企業が事業活動を通して排出枠を超える温室効果ガスを排出してしまう場合には、罰金が科せられます。しかし、逆に、企業の努力によって排出量が割り当てられた枠よりも少なかった場合には、その余った排出枠を他の企業に売却することができます。 この仕組みにより、企業は経済的な観点から、自主的に温室効果ガスの排出削減に取り組むよう促されます。例えば、工場の設備を最新のものに切り替えることで、大幅な排出削減を達成できた企業があるとします。この企業は、削減努力の結果、余った排出枠を保有することになります。そして、この余った排出枠を、排出削減が遅れている他の企業に売却することで利益を得ることができます。一方、排出削減が容易ではなく、現状では排出枠を超えてしまいそうな企業は、排出枠を買い取ることで、罰金を回避することができます。排出枠を取引する市場では、需要と供給の関係によって価格が変動します。排出削減が進むにつれて排出枠の価格は下がるため、企業は排出削減設備への投資を促進され、より経済的な方法で排出削減目標を達成することが期待されます。
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気候変動税:イギリスの挑戦

- はじめに地球温暖化は、私たちの惑星とそこに住むすべての生命にとって、かつてないほどの脅威となっています。気温上昇、海面上昇、異常気象の増加など、その影響は世界中で顕在化しており、早急な対策が求められています。このような状況の中、イギリスは2001年から気候変動税(Climate Change Levy CCL)を導入し、積極的に地球温暖化対策に取り組んでいます。 気候変動税は、企業や組織に対して、そのエネルギー消費量に応じて課税する仕組みです。つまり、多くのエネルギーを消費する企業ほど、より多くの税金を支払わなければなりません。この税制の目的は、企業の経済活動に金銭的な負荷をかけることによって、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入を促進し、温室効果ガスの排出削減につなげることにあります。 イギリスのこの取り組みは、地球温暖化対策において、政府が主導的な役割を果たし、経済活動と環境保護の両立を目指していることを示す好例と言えるでしょう。
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自主的なCO2削減活動の記録:アメリカの取り組み

アメリカでは、地球温暖化対策として、企業や組織が主体的に温室効果ガスの排出量削減に取り組むことを後押しする独自の取り組みが行われています。それが、アメリカ合衆国エネルギー情報局が運営する「自主的排出削減登録プログラム」です。 このプログラムは、工場や事業所などから排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの削減だけでなく、森林を新たに作ったり、土壌に炭素を貯留したりするなど、様々な活動を通じて地球温暖化対策に貢献しようとする企業や組織の取り組みを支援することを目的としています。 参加を希望する企業や組織は、自主的に設定した排出削減目標や実施計画などをアメリカ合衆国エネルギー情報局に登録します。登録された情報は、データベース化され、一般に公開されます。 このプログラムは、参加する企業や組織にとって、排出削減の取り組みを対外的にアピールできるだけでなく、他の参加者との情報交換や協力の機会も得られます。また、アメリカ合衆国エネルギー情報局は、参加者に対して、排出量算定や削減技術に関する情報提供などの支援も行っています。 アメリカでは、このように、企業や組織の自主的な取り組みを促進することで、地球温暖化対策を進めようとしています。
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SEA指令:環境アセスメントにおける市民参加

- SEA指令とはSEA指令は、「環境影響評価に関する指令」という正式名称を持つ、欧州連合(EU)が2001年7月に施行した環境に関する重要な指令です。この指令は、従来の個別の開発事業における環境への影響を評価する環境影響評価(EIA)指令に加えて、より広い視野を持つものです。具体的には、国や地方公共団体が政策や計画、プログラムを策定する際に、戦略的な段階から環境への影響を予測・評価し、環境への負担が少ない持続可能な社会の実現を目指すことを目的としています。 SEA指令では、市民の意見を反映させるための手続きも定められています。これは、計画の立案段階から市民が参加することで、より透明性が高く、民主的な意思決定プロセスを確立することを目指しています。 SEAは"Strategic Environmental Assessment"の略称であり、日本語では「戦略的環境アセスメント」と訳されます。
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国家環境政策法:環境保護の礎

- 国家環境政策法とは国家環境政策法(National Environmental Policy Act, NEPA)は、1969年にアメリカ合衆国で制定された、環境保護に関する画期的な法律です。この法律は、人間の活動が環境へ与える影響を事前に評価し、その影響を最小限に抑えるための手続きを定めています。 NEPAは、環境への影響を考慮した意思決定を促すことで、環境保護において重要な役割を担っています。NEPAの重要な点は、連邦政府機関に対して、あらゆる事業計画の環境への影響を評価するよう義務付けていることです。道路やダムなどの建設、資源開発、廃棄物処理など、連邦政府が関与する幅広い事業が対象となります。環境への影響評価は、事業の実施前に詳細な調査を行い、その結果を文書にまとめた「環境影響評価書」を作成することで行われます。環境影響評価書には、事業による大気汚染、水質汚濁、生態系への影響、騒音、振動など、考えられるあらゆる環境への影響が分析され、記載されます。また、環境への影響を軽減するための対策についても検討され、環境保護の観点から事業の代替案なども評価されます。NEPAは、環境影響評価書の作成だけでなく、国民への情報公開と意見反映の機会を保障していることも重要な点です。作成された環境影響評価書は一般に公開され、国民は自由に内容を閲覧し、意見を提出することができます。提出された意見は、連邦政府機関によって検討され、最終的な事業計画に反映されます。このように、NEPAは環境への影響を事前に評価し、国民への情報公開と意見反映の機会を保障することで、環境保護と開発の両立を図るための重要な枠組みを提供しています。
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地球温暖化防止と原子力発電

私たちの暮らす地球は今、温暖化という深刻な問題に直面しています。地球温暖化とは、大気中の温室効果ガスが増加することで地球の平均気温が上昇する現象です。産業革命以降、人類は経済発展のために大量の化石燃料を消費し、大量の二酸化炭素を排出してきた結果、地球の平均気温は上昇を続け、私たちの生活や自然環境に様々な影響が出始めています。 地球温暖化が引き起こす最も深刻な問題の一つに、海面上昇が挙げられます。気温上昇によって氷河や氷床が溶け出すことで、海水の量が増加し、海面が上昇します。海面上昇は、沿岸地域の浸水や高潮被害のリスクを高め、人々の生活や経済活動に大きな影響を与えます。 また、地球温暖化は異常気象の増加にも繋がっています。集中豪雨や洪水、干ばつ、熱波などの異常気象は、私たちの生活に甚大な被害をもたらします。農作物の不作や食糧不足、水不足、熱中症のリスク増加など、私たちの健康や生活基盤を脅かす深刻な問題です。 さらに、地球温暖化は生態系にも深刻な影響を与えています。気温上昇や海水温の上昇は、動植物の生息域の変化や種の絶滅、サンゴ礁の白化現象など、生物多様性の損失に繋がります。地球温暖化は、私たち人間だけの問題ではなく、地球上に生きるすべての生き物にとって、未来を脅かす深刻な問題なのです。
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EMAS規則:企業の環境への取り組みを促進

- EMAS規則とはEMAS規則は、「環境管理及び監査スキームに関する規則」という正式名称を持つ、企業が積極的に環境保全活動に取り組むことを後押しするための規則です。1993年に欧州理事会によって採択され、特に多くの資源を消費する産業分野の企業を主な対象としています。この規則は、企業が環境問題への意識を高め、具体的な行動に移すことを促すことを目的としています。具体的には、企業が環境パフォーマンスを向上させるためのシステムを構築し、運用し、その結果を公表することを求めています。EMAS規則は、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を基礎としています。しかし、EMAS規則はISO14001よりもさらに厳しい要件を課している点が特徴です。例えば、法的要求事項の順守、環境パフォーマンスの継続的な改善、従業員の参加、情報公開などが求められます。EMAS規則に登録するためには、企業は環境レビューを実施し、環境方針を策定し、環境マネジメントシステムを構築し、それを外部の審査機関による審査を受ける必要があります。審査に合格すると、EMAS登録証が発行され、企業はEMASロゴを使用することができます。EMAS規則は、企業が環境に対する責任を果たし、持続可能な社会を実現するための有効なツールの一つと言えるでしょう。
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EIA指令:環境アセスメントの国際基準

- EIA指令とは EIA指令とは、「Environmental Impact Assessment Directive」の頭文字を取ったもので、日本語では「環境影響評価指令」と訳されます。これは、ヨーロッパ連合(EU)の執行機関である欧州委員会が定めた指令で、特定の公共事業や民間事業が環境に与える影響を、事業に着手する前に評価するための手続きを定めたものです。 この指令は、開発と環境保全の両立を目指し、1985年に最初の指令(85/337/EEC)が採択されました。その後、対象となる事業の範囲拡大や手続きの明確化などを目的として、1997年には改正指令(97/11/EC)が採択されています。 EUに加盟する国は、これらの指令に基づいた国内法を整備し、環境影響評価を実施することが義務付けられています。EIA指令は、EU加盟国に環境影響評価の手続きを導入させ、環境保全に関する国際的な協調を促進する上で重要な役割を果たしてきました。
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排出量取引制度:地球温暖化対策の新潮流

- 排出量取引制度とは排出量取引制度は、企業や国ごとに温室効果ガスの排出上限を定め、その枠組みの中で排出量を管理する仕組みです。各企業に割り当てられた排出上限を超過してしまう場合、超過分を他の企業から購入することで調整することができます。逆に、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用などにより、排出量を削減できた企業は、その削減分を他の企業に売却することができます。この制度の目的は、経済的な仕組みを活用することで、全体として温室効果ガスの排出削減を促すことにあります。排出量取引制度では、排出量が多い企業ほどコスト負担が大きくなるため、企業は経済合理性に基づいて自主的に排出削減に取り組むインセンティブが生まれます。 一方、排出量が少ない企業にとっては、削減努力を収益につなげることができるため、更なる技術開発や設備投資を促進する効果も期待できます。このように、排出量取引制度は、環境保護と経済成長の両立を目指す上で重要な役割を果たす制度として、国際的に注目されています。
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排出量取引:地球温暖化対策の切り札となるか?

- 排出量取引とは 排出量取引とは、企業などが協力して環境保全に取り組むための仕組みの一つです。国は、まず温室効果ガスなど、環境に影響を与える物質の排出量を全体として減らす目標を立てます。そして、それぞれの企業に対して、排出を許される上限量を割り当てます。これが「排出枠」と呼ばれるものです。 企業は、この排出枠を超えて排出してしまうと、罰金を支払ったり、不足分を他の企業から購入したりしなければなりません。逆に、技術革新や省エネルギー活動などによって、排出量を減らすことができた企業は、その分を他の企業に売却することができます。 このように、排出量取引は、企業にとって経済的なインセンティブを生み出すことで、自主的な排出削減努力を促すことを目的としています。排出量の少ない企業は、排出枠を売ることで利益を得ることができ、排出量の多い企業は、排出枠を購入することで、排出削減のための時間的な猶予を得ることができます。 排出量取引は、環境保全と経済活動を両立させるための有効な手段の一つとして、世界各国で導入が進められています。
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排出権取引:地球温暖化対策の切り札となるか

- 排出権取引とは排出権取引とは、国や企業に対して、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出できる量の上限を定めることで、地球温暖化対策を進めるための仕組みです。それぞれの国や企業は、この上限を超えて排出することはできません。では、上限を超えそうな場合はどうすれば良いのでしょうか? 実は、排出量を減らすための取り組みには、大きく分けて二つの方法があります。一つ目は、自ら工場や事業活動を見直し、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用を進めることで、実際に排出量を削減する方法です。二つ目は、他の国や企業から、排出量の枠組みの一部を「排出権」として購入する方法です。自ら削減するよりもコストを抑えて排出量を調整できる場合があり、この排出権の売買が「排出権取引」と呼ばれます。排出権取引では、排出削減が得意な国や企業は、排出枠を売却することで利益を得ることができ、逆に排出削減が難しい国や企業は、排出枠を購入することで、時間をかけて削減に取り組むことができます。排出権取引を通じて、全体として効率的に排出量を削減し、地球温暖化防止につなげることが期待されています。