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扁平上皮癌:体の表面を覆う組織から発生する癌

- 扁平上皮癌とは 私たちの体の表面や、口の中、胃や腸などの内臓の表面は、「上皮」と呼ばれる薄い組織で覆われています。この上皮は、体を守るという大切な役割を担っています。 上皮にはいくつかの種類があり、その中でも「扁平上皮」と呼ばれる、平たく薄い細胞が何層にも重なった構造を持つ上皮から発生する癌が、扁平上皮癌です。 この扁平上皮は、体の様々な場所に存在しています。例えば、私たちが毎日触れている皮膚も扁平上皮でできています。また、食べ物が通る口の中や食道、そして肛門なども扁平上皮で覆われています。さらに、男性の膀胱、女性の膣や子宮頸部などにも扁平上皮は存在し、体の様々な部分を保護しています。 このように、体の広範囲に存在する扁平上皮から発生する癌であるため、扁平上皮癌は体の様々な部位で発生する可能性があります。発生する部位によって、症状や進行の仕方が異なってきます。
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沈黙の影:肺がんを知る

- 肺がんとは肺がんは、私たちの呼吸を司る大切な器官である肺にできる悪性腫瘍です。肺は、体中に酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出する役割を担っており、生命維持に欠かせない臓器です。この肺にがんが発生すると、呼吸のたびに酸素を取り込むという肺本来の機能が損なわれ、息苦しさや咳などの症状が現れます。肺がんは、肺の細胞が何らかの原因でがん化することによって発生します。がん細胞は、正常な細胞とは異なり、無秩序に増殖を続け、周囲の正常な組織を破壊しながら成長していきます。さらに、進行すると、血液やリンパ液の流れに乗って、他の臓器に転移することもあります。転移が起こると、がんはさらに広がり、治療が困難になる可能性があります。肺がんは、日本人の死亡原因の上位に位置する深刻な病気です。早期発見、早期治療が重要であり、定期的な健康診断などを通じて、早期発見に努めることが大切です。
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バーキットリンパ腫:謎多き血液がん

バーキットリンパ腫は、1958年にアフリカで初めて確認された悪性リンパ腫の一種です。リンパ腫とは、リンパ球と呼ばれる血液のがん細胞が、リンパ節や脾臓、骨髄などで異常に増殖する病気です。バーキットリンパ腫は、その中でも特に小児に多く見られ、顎の骨に腫瘍ができるという特徴があります。顎の骨以外にも、消化管や卵巣、中枢神経などに腫瘍が発生することもあります。 この病気は、アフリカ、特にサハラ砂漠以南の地域で多く見られます。これらの地域はマラリアが流行しており、マラリアへの感染がバーキットリンパ腫の発症リスクを高めると考えられています。マラリアによって免疫力が低下することが、発症の一因とされています。 バーキットリンパ腫は、非常に進行が速いがんであり、早期の発見と治療開始が極めて重要です。治療法としては、抗がん剤による化学療法が中心となります。 抗がん剤を適切に使用することで、完治も可能な病気です。 しかし、治療開始が遅れてしまうと、がんが全身に広がり、治癒が困難になるケースもあります。そのため、アフリカなどの流行地域では、早期発見と迅速な治療体制の構築が課題となっています。
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脳腫瘍:頭蓋内における静かなる脅威

- 脳腫瘍とは人間の頭蓋骨の中には、脳脊髄液という液体で満たされた空間があり、その中に脳が浮かぶように収まっています。脳腫瘍とは、この限られた空間の中で発生するあらゆる腫瘍の総称を指します。よく耳にする「がん」という言葉は、一般的には悪性腫瘍を指します。しかし、脳腫瘍の場合、悪性腫瘍だけでなく、良性の腫瘍も含まれます。さらに、腫瘍以外にも、炎症や血管の異常など、様々な原因で脳に異常が起こることがあります。これらをまとめて脳腫瘍と呼ぶため、脳腫瘍と診断されても、必ずしも命に関わるような深刻な状況とは限りません。脳腫瘍は、その種類や発生する場所、大きさによって、症状や経過、治療方針が大きく異なります。そのため、まずは専門医による詳しい検査と診断が必要となります。そして、その結果に基づいて、適切な治療法や経過観察の方法が決定されます。場合によっては、手術や放射線治療、抗がん剤治療など、様々な治療法を組み合わせることもあります。
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脳梗塞:原因と症状、予防について

- 脳梗塞とは脳梗塞は、脳の血管が詰まることで発症する病気です。私たちの脳は、体の司令塔として、考えたり、体を動かしたり、感じたりなど、重要な役割を担っています。この脳を正常に働かせるためには、大量の酸素と栄養が必要です。 脳に酸素と栄養を届けているのは血液であり、脳の血管を通って、脳の隅々まで常に血液が送られています。 しかし、ある日突然、この脳の血管が詰まってしまうことがあります。これが脳梗塞です。血管が詰まると、そこから先の脳組織には血液が行き渡らなくなり、酸素や栄養が不足してしまいます。 脳細胞は非常にデリケートで、血液の流れが少しでも滞ると、すぐにダメージを受けてしまいます。 脳梗塞は、詰まった血管の位置や大きさ、そして血流が止まっている時間の長さによって、症状の重さや種類は様々です。手足の麻痺やしびれ、言葉が出にくい、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの症状が現れます。 重症化すると、意識を失ったり、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。血管が詰まる原因は様々ですが、血管が硬くなる動脈硬化や、血液が血管を押す力が強くなる高血圧などが、発症のリスクを高めることが知られています。 また、糖尿病や脂質異常症、喫煙なども危険因子です。脳梗塞は後遺症が残る可能性も高い病気です。後遺症によって、日常生活に支障が出てしまう場合もあります。脳梗塞を予防するため、バランスの取れた食事や適度な運動を心掛け、危険因子を減らすようにしましょう。そして、もしも脳梗塞の症状が現れたら、一刻も早く医療機関を受診することが大切です。