放射線と上皮組織の関係
私たちの体は、まるで一枚の精巧な布で包み込まれているように、全身を薄い細胞の層で覆われています。これが「上皮組織」と呼ばれるものです。この組織は、顔や手足など外から見える皮膚はもちろんのこと、胃や腸などの内臓の表面、さらには血管やリンパ管の内側といった、体内の様々な場所に存在しています。
上皮組織は、例えるなら、家全体を包む外壁や、部屋と部屋を仕切る壁のような役割を果たしています。外壁が家を守るように、上皮組織は、細菌やウイルスなどの外敵から体を守り、体内への侵入を防ぐという重要な役割を担っています。また同時に、体内の水分を保ち、乾燥を防ぐ役割も担っています。
さらに、上皮組織は常に外部環境にさらされているため、傷つきやすいという側面も持ち合わせています。しかし、傷ついた場合でも、速やかに修復する能力を備えているため、私たちの体は健康を保つことができるのです。例えば、すり傷を負っても、皮膚の下にある上皮組織が活発に細胞分裂を行い、傷口を塞いでくれます。このように、上皮組織は目立たないながらも、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。