蛍光光度計: 物質の光る性質で分析
物質に光を当てると、その光は物質に吸収されたり、反射したり、あるいはそのまま通り抜けたりします。光を吸収した物質は、そのエネルギーによって様々な振る舞いを見せます。熱を帯びたり、化学変化を起こしたりする物質もあれば、再び光を放出して元の状態に戻る物質もあります。このように、物質が光を吸収し、再び光を放出する現象をまとめて発光現象と呼びます。
発光現象は、放出されるまでの時間の長さによって、蛍光と燐光に区別されます。
蛍光は、物質が光を吸収してから、再び光を放出するまでが非常に短い発光現象です。具体的には、ナノ秒からマイクロ秒という、1秒の100万分の1から100万分の1秒というごく短い時間で発光します。蛍光灯や蓄光シールなどに利用されています。
一方、燐光は、蛍光に比べて発光するまでの時間が長い発光現象です。具体的には、ミリ秒から数時間、あるいはそれ以上という長い時間、発光し続けます。夜光塗料や時計の文字盤などに利用されています。
このように、物質の発光現象は、私達の身の回りで様々に利用されています。