蛍光分析

核燃料

ウラン濃縮の鍵!キレート樹脂とは?

特定の金属イオンだけを捕まえることができる特殊な樹脂があることをご存知でしょうか?まるでカニがハサミで獲物をしっかりと掴むように、金属イオンを包み込むように結合することから「キレート樹脂」と呼ばれています。 このキレート樹脂は、その名の通り、特定の金属イオンと非常に強い力で結合する性質を持っています。この結合の強さは、まるで鍵と鍵穴の関係のように、特定の金属イオンだけをしっかりと捉え、他のイオンには影響を与えません。この性質を利用して、水溶液中に溶け込んでいる様々なイオンの中から、目的の金属イオンだけを選択的に取り出すことができるのです。 キレート樹脂は、様々な分野で利用されています。例えば、工場から排出される排水には、人体や環境に有害な重金属イオンが含まれていることがあります。キレート樹脂を用いることで、これらの有害な重金属イオンを排水から除去し、安全な水にすることができます。また、医薬品や食品の製造過程においても、製品の品質を維持するために、特定の金属イオンを除去する必要がありますが、この工程にもキレート樹脂が活躍しています。さらに、近年注目されているのが、都市鉱山からのレアメタル回収です。使用済みの携帯電話やパソコンなどの電子機器には、様々なレアメタルが含まれていますが、キレート樹脂を用いることで、これらのレアメタルを効率的に回収することが期待されています。このように、キレート樹脂は、環境保護、資源の有効活用など、様々な分野で重要な役割を担っているのです。
その他

蛍光分析:物質の光る性質で分析

- 蛍光分析とは物質に光を当てると、その光は反射したり吸収されたりします。蛍光分析は、物質が光を吸収した際に、吸収した光とは異なる色の光を放出する現象「蛍光」を利用した分析方法です。 私たちが普段目にしている光は、様々な色の光が混ざり合ったものです。この光の中から特定の色の光、すなわち特定の波長を持つ光だけを取り出して物質に当てると、物質はその光を吸収し、エネルギーの高い状態(励起状態)になります。 励起状態の物質は不安定なため、すぐにエネルギーの低い安定した状態に戻ろうとします。この時、物質は吸収したエネルギーを光として放出します。この光が蛍光です。蛍光は、吸収した光よりも波長が長い(エネルギーが低い)という特徴があります。 蛍光分析では、物質に当てる光の波長や、放出される蛍光の波長、そしてその強さを精密に測定することで、物質の種類や量を分析することができます。 例えば、ある特定の物質は、特定の波長の光を当てると、特定の波長の蛍光を強く放出することが分かっているとします。この時、未知の試料に同じ波長の光を当てて、蛍光の波長と強さを調べることで、その試料中にその物質が含まれているかどうか、含まれている場合はどのくらい含まれているかを分析することができます。