血管造影:身体の道筋を映し出す技術
- 血管造影とは血管造影は、体内の血管をレントゲンで鮮明に映し出す検査方法です。私たちの体には、まるで道路網のように血管が張り巡らされており、血液を介して酸素や栄養を全身に届けたり、老廃物を運び去ったりしています。この血管の状態を詳しく調べるために、血管造影が行われます。検査ではまず、腕や足の付け根などにある動脈に細い管を入れます。そして、この管を通して「造影剤」と呼ばれる特殊な薬を血管に注入します。造影剤はX線を通しにくい性質を持っているため、レントゲン撮影を行うことで、造影剤が流れている血管が白く浮かび上がり、血管の走行や太さ、形などをはっきりと確認することができます。血管造影によって、動脈硬化や血管の狭窄、閉塞、瘤など、様々な血管の病気を発見することができます。さらに、血管造影は診断だけでなく、治療にも役立てることができます。例えば、血管が狭くなっている部分に風船のようなものを入れて広げたり、ステントと呼ばれる金属製の網を入れて血管を拡張したりする治療は、血管造影を行いながら行われます。血管造影は、私たちの体の重要な輸送路である血管の状態を正確に把握するために欠かせない検査と言えるでしょう。