
原子力発電の燃料ができるまで:転換工程の役割
原子力発電の燃料となるウランは、地中から掘り出したウラン鉱石を精錬し、いくつかの工程を経て作られます。ウラン鉱石には、ウラン以外にも様々な物質が含まれています。そこで、不要な物質を取り除き、ウランの含有量を高める「精錬」という工程が必要になります。
まず、採掘されたウラン鉱石を砕き、薬品を使ってウランだけを溶かし出します。そして、溶液から不純物を取り除き、乾燥・粉末化すると、黄色の粉末であるウラン精鉱(イエローケーキ)が得られます。
しかし、イエローケーキにはまだウラン以外の物質が含まれているため、原子炉の燃料として使用するためには、さらに純度を高める精製工程や、燃料の形に加工する工程が必要になります。こうして、長い工程を経て、ようやく原子力発電の燃料となるウランが完成するのです。