酸化反応

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化学発光:物質の輝きからわかること

夜空に光る星のように、自ら光を放つ物質があります。私たちはそれを「化学発光」と呼びます。身近な例では、夏の夜に幻想的な光を放つホタルや、深海で怪しく光る生き物などが挙げられます。では、これらの物質はどのようにして光を生み出しているのでしょうか? 化学発光は、物質が化学反応を起こす際に、そのエネルギーを光として放出する現象です。物質を構成する原子や分子は、通常の状態では、最もエネルギーの低い安定した状態にあります。これを「基底状態」と呼びます。 しかし、物質が化学反応を起こすと、原子や分子は外部からエネルギーを受け取って、より高いエネルギー状態になります。これを「励起状態」と呼びます。この励起状態は不安定な状態であるため、原子や分子はすぐに元の安定した基底状態に戻ろうとします。 この時、励起状態から基底状態に戻る際に、余分なエネルギーが光として放出されます。これが化学発光です。この光は熱を伴わないため、「冷光」とも呼ばれます。 化学発光は、私たちの生活にも役立っています。例えば、医療現場では、病気の診断に用いられる試薬や、犯罪捜査で血痕を検出する際に利用されています。また、夜間でも視認性を高めるための塗料や、おもちゃなどにも応用されています。