電気の流れを担う自由電子
私たちの身の回りに存在するありとあらゆる物質は、原子と呼ばれる小さな粒が集まってできています。原子の中心には原子核があり、その周りを電子がぐるぐると回っています。電子は目には見えないほど小さく、マイナスの電気を持っています。一方、原子核はプラスの電気を持っています。電気には、プラスとプラス、マイナスとマイナスは反発し合い、プラスとマイナスは引き付け合うという性質があります。そのため、マイナスの電気を持つ電子は、プラスの電気を持つ原子核に引き付けられて、その周りを回っているのです。
多くの場合、電子はこの原子核の引力に強く束縛されていて、自由に動き回ることはできません。しかし、物質によっては、原子核の束縛を振り切って自由に動き回れる電子も存在します。このような電子のことを自由電子と呼びます。自由電子は、物質の中をまるで空気中を漂うように自由に動き回ることができます。この自由電子の動きが、電気の流れを生み出すのです。電気は私たちの生活に欠かせないものですが、それは物質の中を自由に動き回る小さな電子の働きによるものなのです。