電子ボルト

原子力発電の基礎知識

エネルギーの単位:電子ボルト

- 電子ボルトとは電子ボルトは、原子や分子といった非常に小さな世界におけるエネルギーの大きさを表す単位です。記号は「eV」と表記されます。 私たちが日常生活でよく使うエネルギーの単位にジュール(J)がありますが、これは例えば100グラムの物を1メートル持ち上げるのに必要なエネルギーといった、比較的身近なスケールの大きさを表すのに適しています。一方、原子や電子の世界では、ジュールという単位ではあまりにも大きすぎて使いづらいのです。そこで登場するのが電子ボルトです。電子ボルトは、1つの電子が1ボルトの電圧で加速されたときに得るエネルギーと定義されています。電子は非常に小さな粒子なので、1ボルトの電圧で加速されても得られるエネルギーはごくわずかです。このごくわずかなエネルギーを1電子ボルト(1eV)と定めているため、電子ボルトは原子や分子といったミクロな世界のエネルギーを表すのに最適な単位と言えるのです。例えば、水素原子の電子を最もエネルギーの低い状態から引き離すのに必要なエネルギーは約13.6電子ボルトです。このように、電子ボルトを用いることで、原子や分子が持つエネルギーを分かりやすく表現することができます。
放射線について

エネルギーの単位 MeV とは

- MeVとは MeVはメガ電子ボルトと読み、エネルギーの大きさを表す単位です。 身近な例で例えると、電気ポットでお湯を沸かす際に消費される電気エネルギーは、数百Wh(ワット時)という単位で表されます。 MeVはそれと比較すると非常に小さなエネルギーを表す単位で、主に原子核や素粒子といった極微の世界で使われています。 MeVは、100万電子ボルト、つまり10⁶eVと同じ大きさです。 電子ボルト(eV)は、電気を帯びた粒子が電圧の中を移動する際に得るエネルギーを表す単位です。 たとえば、1ボルトの電圧がかかった空間を電子1個が移動すると、その電子は1eVのエネルギーを得ます。 しかし、1eVは非常に小さなエネルギーであるため、原子力分野では100万倍大きいMeVがよく使われます。 たとえば、ウラン原子が核分裂する際に放出されるエネルギーは約200MeV、太陽の中で水素原子4つが核融合してヘリウム原子1つになる際に放出されるエネルギーは約26MeVに相当します。