電源開発調整審議会

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原子力発電所の建設開始時期: 着手と着工

新しい原子力発電所を建設するとなれば、電力会社は気の遠くなるような長い道のりを歩むことになります。それはちょうど、壮大な建築物を建てるために、設計図の作成から始まり、様々な専門家の意見を聞きながら、長い時間をかけて安全性を確認していくようなものです。そして、この長い道のりの最初の大きな節目が「着手」と呼ばれる段階です。 この「着手」は、単に電力会社が「ここに発電所を建てたい」と考えただけではありません。電力会社は、まず国の定める厳しい安全基準に基づいて、具体的な建設予定地や発電所の設計、そして環境への影響などを詳細にまとめた計画書を作成します。この計画書は、国の専門機関による厳正な審査を受けます。そして、原子力規制委員会による安全性の確認や、経済産業大臣による電力供給の観点からの必要性の確認など、幾重もの関門を突破しなければなりません。 「着手」とは、こうした厳しい審査を経て、国の重要な審議会がその計画を妥当と認め、国の電力供給計画に正式に位置付けられたことを意味します。これは、電力会社にとって、長い道のりの第一歩を踏み出したことを示すと同時に、国のエネルギー政策においても重要な意味を持つことになります。