食品衛生

その他

食品の安全を守るHACCPとは?

- HACCPの起源 HACCPは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字をとった言葉で、日本語では「危害分析重要管理点」と訳されます。食品の安全性を確保するための管理手法であるHACCPは、1960年代のアメリカで、宇宙食の安全性を確実なものにするために開発されました。 当時の宇宙開発は国家の威信をかけた競争のさなかにあり、宇宙飛行士には最高の体調で任務を遂行することが求められていました。しかし、宇宙空間という特殊な環境下では、食中毒が起きた場合、地上にいるようには簡単に対応できません。万が一、宇宙で食中毒が発生すれば、宇宙飛行士の生命はもちろんのこと、ミッション全体の成功にも重大な影響を及ぼす可能性がありました。 そこで、従来のように完成した食品の検査だけに頼るのではなく、食品の製造工程全体に目を向ける必要性が生まれました。HACCPは、原材料の受け入れから、製造、加工、包装、出荷に至るまでのすべての工程において、危害となる可能性のある要因(Hazard)を特定し分析します。そして、その危害要因を排除したり、安全なレベルまで減らしたりするための特に重要な管理ポイント(Critical Control Point)を定め、そのポイントを重点的に管理することで、より安全な食品の製造を目指そうという考え方から生まれました。
放射線について

食品照射:放射線で食品を安全に

- 食品照射とは食品照射とは、食品に放射線を当てることで、その安全性を高めたり、保存期間を延ばしたりする技術です。食品を加熱処理する必要がないため、味や栄養価を損なうことなく、食品本来の美味しさを保つことができます。具体的には、食品に照射される放射線は、食中毒の原因となる細菌や寄生虫を死滅させる効果があります。これにより、食の安全性を向上させることができます。また、食品の腐敗を引き起こす菌の繁殖を抑える効果もあるため、食品の保存期間を延ばすことも期待できます。さらに、じゃがいもなどの根菜類に照射することで、発芽を抑制する効果もあります。これにより、長期保存が可能となり、食品ロスの削減にも繋がります。食品照射は、世界中で広く認められた技術であり、国際機関でもその安全性が確認されています。日本では、じゃがいもの発芽抑制を目的とした照射が認められており、消費者にとって安全な食品を提供するための技術として活用されています。
節電のアイデア

冷蔵庫の省エネ術!食品は冷ましてから保存

鍋いっぱいに作ったカレーやスープなど、調理したての熱い食品を目の前にすると、一刻も早く冷蔵庫で冷ましたい気持ちになるのも無理はありません。しかし、熱いままの食品を冷蔵庫に入れるのは、冷蔵庫に大きな負担をかけてしまうため、おすすめできません。 冷蔵庫は、庫内の温度を一定に保つように設計されています。そこに熱い食品を入れると、庫内温度が急上昇してしまいます。この急激な温度変化に対応するために、冷蔵庫は通常よりも多くの電力を消費して、庫内全体を冷やそうとします。 冷蔵庫が多くの電力を消費することは、無駄な電気代が発生するだけでなく、冷蔵庫自身の寿命を縮めることにもつながります。 熱い食品を冷蔵庫に入れる前に、常温である程度冷ましてから冷蔵庫に入れるように心がけましょう。風通しの良い場所に置く、水を入れたシンクに鍋ごとつけるなど、様々な方法で食品を冷ますことができます。少しの手間をかけるだけで、冷蔵庫への負担を軽減し、電気代の節約にもつながります。