高温冶金法

核燃料

高温冶金法:使用済燃料再処理の革新技術

原子力発電所では、ウラン燃料内の原子核が核分裂反応を起こすことで莫大なエネルギーを生み出しています。この反応で発生する熱を利用して蒸気を作り、タービンを回すことで発電を行います。燃料を使い続けていくと、次第に核分裂反応を起こしにくくなるため、定期的に新しい燃料と交換する必要があります。このとき取り出される燃料を「使用済み燃料」と呼びます。 使用済み燃料には、まだ核分裂を起こす能力が残っているウランや、核分裂反応によって生成されたプルトニウムといった貴重な物質が含まれています。もし、これらの物質をそのまま廃棄物としてしまうと、資源の有効活用という観点からも、環境負荷の低減という観点からも大きな損失となります。そこで、使用済み燃料からウランやプルトニウムを抽出し、再び原子力発電所の燃料として利用する技術が「再処理」です。 再処理は、高度な技術と厳重な管理体制が必要とされる複雑なプロセスです。まず、使用済み燃料を化学処理によって溶解し、ウランとプルトニウムを分離します。その後、それぞれの物質を精製・加工することで、再び原子炉で使える燃料へと再生します。 再処理を行うことで、天然ウランの使用量を抑制できるだけでなく、プルトニウムをエネルギー資源として有効活用することが可能となります。また、再処理によって使用済み燃料の量を減容化できるため、最終的に処分場に埋設する廃棄物の量も減らすことができます。