1cm線量当量:放射線被ばくを測る物差し
私たちは、放射線を見ることも、感じることもできません。そのため、どれくらい放射線を浴びたのかを直接知ることは不可能です。しかし、浴びた放射線の量が多いほど、健康に悪影響が出る可能性が高くなることは事実です。そこで、放射線が健康に及ぼすリスクを正しく評価するために、「実効線量当量」という指標が用いられています。
この「実効線量当量」は、放射線が人体に与える影響の大きさを数値化したものです。具体的には、放射線によってがんや白血病の発症リスクがどの程度増加するか、将来生まれてくる子どもに遺伝的な影響が出る確率はどのくらいかを計算し、それらを総合的に判断して算出されます。
つまり、「実効線量当量」という指標を用いることで、目に見えない放射線の人体への影響度合いを、私たちにもわかりやすい数値で把握することができるのです。