食品の抗酸化力を測るAAPH法
- AAPH法とはAAPH法は、食品や生体試料などが持つ抗酸化力を測る方法の一つです。 私たちの体の中では、通常の活動によって活性酸素と呼ばれる物質が生み出されています。活性酸素は細胞を傷つけ、老化や様々な病気の原因となることがあります。 しかし、体には活性酸素の働きを抑える抗酸化力も備わっており、バランスが保たれています。AAPH法では、2,2'-アゾビス(2-アミノジプロパン)二塩酸塩(AAPH)という物質を用いて、人工的に活性酸素を発生させます。 AAPHを水に溶かして温めると分解し、ラジカルという不安定な分子が発生します。このラジカルは活性酸素の一種で、細胞にダメージを与える力を持っています。AAPH法では、試料となる食品や生体試料に、このラジカルを加えて反応を観察します。試料中に抗酸化物質が多く含まれていると、ラジカルが消去され、細胞へのダメージが抑えられます。 反対に、抗酸化物質が少ないと、ラジカルは消去されずに細胞にダメージを与え続けます。AAPH法では、ラジカルがどの程度消去されたかを測定することで、試料の抗酸化力を評価します。 この方法は、食品の機能性評価や、病気の予防や治療に関する研究などに広く活用されています。