ALPHA

原子力の安全

ALPHA実験:シビアアクシデント時の原子炉安全性を検証する

原子力発電所は、ウラン燃料の核分裂反応で発生する莫大な熱エネルギーを利用して電気を作る施設です。この施設では、安全対策として何重もの防護壁を設け、燃料の取り扱いや運転操作にも厳重な管理体制を敷いています。 しかしながら、万が一、これらの安全対策をもってしても想定を超えるような事態が重なった場合、燃料が溶け出すような深刻な事故、すなわち「シビアアクシデント」に至る可能性は否定できません。 シビアアクシデントは、発生する可能性が極めて低いとはいえ、ひとたび発生すれば、周辺環境や住民の方々の生活に重大な影響をもたらす可能性があります。 そのため、我が国では、シビアアクシデントの発生防止はもちろんのこと、万が一、発生した場合でもその影響を最小限に抑えるための対策を講じています。具体的には、原子炉を頑丈な格納容器で覆って放射性物質の外部への放出を防ぐ対策や、事故発生時に原子炉を冷却するための注水設備の設置、さらに、住民の方々への避難計画の策定など、多岐にわたる対策を講じています。 ALPHA実験は、このようなシビアアクシデント時に原子炉がどのように振る舞い、環境にどのような影響が生じるのかを詳細に調べることで、より効果的な対策を検討することを目的とした重要な実験です。