中国の原子力開発を担う中核集団公司
1988年、中国は政府の改革の一環として、原子力の軍事利用ではなく、発電などの平和的な目的のために活用していくという方針を明確に打ち出しました。その方針を実現するために設立されたのが中国核工業総公司、通称CNNCです。
CNNCは、原子力に関するあらゆる活動を総合的に担う組織として誕生しました。具体的には、原子力の基礎研究や新しい技術の開発はもちろんのこと、原子力発電所の設計・建設、原子炉の運転や維持管理、さらには原子力関連の機器や技術の輸出まで、その事業範囲は多岐にわたります。
こうして、CNNCは中国における原子力産業の中心的な役割を担う存在となり、その後の中国における原子力発電の急速な発展を支える原動力となっていきました。中国の原子力産業は、軍事利用から平和利用へと大きく舵を切り、CNNCはその先頭に立って、中国の経済発展とエネルギー安全保障に貢献していくことになります。