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放射線について

放射線計測と防護における低減係数

放射線を測る機械の中には、放射線の強さをパルス信号の数で測るものがあります。この機械では、パルス信号を電気信号に変換し、その数を数えることで放射線の強さを知ることができます。 計測されたパルス信号は、その後、計数回路という部分を通り、記録装置に送られます。計数回路は、パルス信号を数え、その数を記録装置に伝える役割をします。しかし、記録装置には処理速度の限界があり、あまりにも大量のパルス信号が入力されると、処理しきれず、正確な値を記録できないことがあります。この現象を「数え落し」と呼びます。 「数え落し」を防ぐために、計数回路から記録装置に送る信号の数を減らす方法があります。例えば、100個のパルス信号を1個にまとめたり、1000個のパルス信号を1個にまとめたりします。このとき、100や1000という値を「低減係数」と呼びます。 低減係数を適切に設定することで、記録装置が処理できる範囲内の信号数に抑え、正確な測定が可能になります。しかし、低減係数を大きくしすぎると、放射線の強弱の変化を細かく捉えられなくなる可能性もあります。そのため、測定対象の放射線の強さに応じて、適切な低減係数を設定することが重要です。