地震の揺れを測る: MSK震度階とは
電力を見直したい
先生、MSK震度階って、日本の震度階とどう違うんですか?
電力の研究家
いい質問だね!日本の震度階は気象庁が独自に決めているものだけど、MSK震度階は国際的な基準で考えられたものなんだ。だから、海外の地震と比較しやすい指標と言えるね。
電力を見直したい
へえー、そうなんですね!でも、MSK震度階は使われていないのに、国際的な基準として残っているのはなぜですか?
電力の研究家
それは、MSK震度階が作られた歴史と関係があるんだ。その後、別の震度階が作られたんだけど、MSK震度階は世界で広く使われていたから、比較対象として残っているんだよ。
MSK震度階とは。
原子力発電でよく聞く『MSK震度階』について説明します。地震の揺れの強さを、物の動きや人の感覚で段階分けしたものを震度階といいますが、MSK震度階もその一つです。日本では、気象庁が使っている8段階の震度階が一般的です。一方、アメリカやイタリアなどでは、12段階の『改訂メルカリ震度階』が使われています。『改訂メルカリ震度階』は、略して『MM震度階』と呼ばれることもあります。
MSK震度階は、ロシアのメドベージェフ氏、ポーランドのスポンホイアー氏、チェコスロバキアのカルニク氏が作った震度階です。3人の名前の頭文字をとって、『MSK震度階』と名付けられました。1964年に開かれた地震学と地震工学に関する国際会議で、このMSK震度階を一時的に世界の標準震度階とすることになりました。MSK震度階は、MM震度階とほとんど同じで、12段階で地震の揺れの強さを表します。
地震の揺れの強さを表す
日々生活する中で、私達は地震の揺れの強さを知るために「震度」という言葉を使います。この震度は、ある地点における地震の揺れの強さを表す尺度です。
日本では、気象庁が発表する震度階級が一般的に使われています。この震度階級は、震度0、震度1、震度2、震度3、震度4、震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7 の10段階で区分されます。それぞれの段階に応じて、体感する揺れの程度や建物への影響などが異なります。
震度階級は世界共通ではなく、国や地域によって独自の基準が定められています。日本の震度階級は、世界的に見ると細かく区分されている点が特徴です。これは、日本が地震の発生頻度が高く、被害を軽減するために詳細な情報提供が必要とされるためです。
震度を知ることで、私たちは地震の規模を把握し、適切な行動をとることができます。例えば、大きな地震が発生した場合、震度情報に基づいて避難の必要性を判断したり、家具の固定などの安全対策を講じたりすることができます。
震度階級 | 体感する揺れの程度や建物への影響 |
---|---|
震度0 | 人体に感じない程度の揺れ |
震度1 | 屋内にいる人の一部がわずかに感じる程度の揺れ |
震度2 | 屋内にいる人の多くが揺れを感じる。つり下げ物がわずかに揺れる |
震度3 | 屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。電線が揺れるなど、物が揺れているのがわかる |
震度4 | ほとんどの人が驚くほどの揺れを感じる。立っているのが難しい場合もある。食器棚の扉が開いたり、物が落ちる場合もある |
震度5弱 | 物につかまらないと立っているのが難しい。家具が移動したり、転倒するものもある |
震度5強 | 壁や柱に Schäden が生じる場合もある。固定していない家具の大半が移動したり、転倒する |
震度6弱 | 立っていることができない。固定していない重い家具のほとんどが移動したり、転倒する |
震度6強 | はって移動するのがやっとの状態。耐震性の低い住宅では倒壊するものも出る |
震度7 | 耐震性の高い住宅でも倒壊するものが出る |
世界基準を目指したMSK震度階
– 世界基準を目指したMSK震度階
地震の揺れの強さを表す指標として、世界各国で様々な震度階級が用いられています。その中でも、国際的な基準として広く知られているのが12段階で表す震度階級です。そして、この12段階の震度階級の中で、世界共通の基準として暫定的に採用されたのがMSK震度階です。
MSK震度階は、1964年に開催された地震学・地震工学に関する政府間会議の場において、暫定的な国際震度階として採用が決定されました。この会議には、世界各国から地震学者や地震工学の専門家が集まり、地震に関する様々な議題について議論が交わされました。
MSK震度階の名前の由来は、この震度階を考案した3人の地震学者の名前に由来しています。Mはロシアの地震学者メドベージェフ(Medvedev)、Sはポーランドの地震学者スポンホイアー(Sponheuer)、Kはチェコスロバキアの地震学者カルニク(Karnik)の頭文字を取ったものです。
MSK震度階は、人体の感覚や建物への影響などをもとに、12段階の階級(I~XII)で地震の揺れの強さを表します。それぞれの階級には、具体的な現象が記述されており、例えば、震度Iは「ごく微弱な揺れで、一部の人だけが感じる」と定義されています。このように、MSK震度階は、国際的な共通基準として、地震の被害状況を比較したり、防災対策を検討したりする上で重要な役割を果たしています。
震度階級 | 説明 |
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I | ごく微弱な揺れで、一部の人だけが感じる |
… | … |
XII | … |
MSK震度階とMM震度階
– MSK震度階とMM震度階地震の揺れの大きさを表す尺度として、日本では気象庁震度階級が使われていますが、世界では様々な震度階級が用いられています。その中でも、MSK震度階とMM震度階は、アメリカやイタリアなど多くの国で採用されている代表的な震度階級です。MM震度階は、Modified Mercalli intensity scaleの略称で、日本語では「修正メルカリ震度階」と訳されます。この震度階は、1902年にイタリアの地震学者ジュゼッペ・メルカリによって考案されたメルカリ震度階を元に、1931年にアメリカの地震学者ハリー・ウッドとフランク・ニューマンによって改良されたものです。MM震度階は、地震による建物や地面への影響、そして人々の体感などを元に12段階で評価されます。例えば、震度1ではごく少数の人が揺れを感じるか感じないか程度であるのに対し、震度12では建造物がほぼ完全に破壊され、地面に大きな亀裂が生じるなど、壊滅的な被害が発生します。一方、MSK震度階は、Medvedev-Sponheuer-Karnik震度階の略称で、1964年にソビエト連邦のセルゲイ・メドベージェフ、ドイツのヴィルヘルム・スポンフューアー、チェコスロバキアのヴィト・カルニクの3名によって提唱されました。MSK震度階もMM震度階と同様に12段階で評価され、地震の揺れによる建物への影響や人々の体感、家具の移動度合いなどが細かく定義されています。MM震度階とMSK震度階は、どちらも地震の被害状況を評価する上で重要な指標となっています。日本では、気象庁震度階級が使われていますが、海外の地震情報を目にする際に、MSK震度階やMM震度階といった指標が使われていることがあります。これらの震度階がどのようなものかを理解しておくことは、海外の地震情報を正しく理解する上で役立ちます。
項目 | MSK震度階 | MM震度階 |
---|---|---|
正式名称 | Medvedev-Sponheuer-Karnik震度階 | Modified Mercalli intensity scale(修正メルカリ震度階) |
提唱者 | セルゲイ・メドベージェフ ヴィルヘルム・スポンフューアー ヴィト・カルニク |
ハリー・ウッド フランク・ニューマン(元はジュゼッペ・メルカリ) |
提唱年 | 1964年 | 1931年(元は1902年) |
段階数 | 12段階 | 12段階 |
評価基準 | 地震の揺れによる建物への影響や人々の体感、家具の移動度合いなど | 地震による建物や地面への影響、そして人々の体感など |
震度階が持つ意味
地震が発生した際、ニュースなどで目にする「震度」という言葉。これは、地震の規模を示すものではなく、ある地点における揺れの強さを表す指標です。
同じ地震であっても、震源からの距離や地盤の状態によって、体感する揺れの強弱は大きく異なります。例えば、震源から遠く離れた固い地盤の上では揺れを感じにくい一方、震源に近い軟弱な地盤の上では、激しい揺れに見舞われることがあります。
このような場合、地震の規模を示すマグニチュードだけでは、各地の被害状況を正確に把握することは困難です。そこで、それぞれの場所における揺れの大きさをより具体的に示すために、震度階が用いられます。
震度階は、体感できる揺れの程度や建物への影響などを基準に、0から7までの10段階で表されます。震度が大きくなるにつれて、家具の移動や転倒、建物の損壊など、被害が深刻化する傾向にあります。
震度情報は、地震発生直後に迅速に伝えられるため、住民が状況を把握し、適切な行動をとるための重要な判断材料となります。また、防災機関にとっても、被害状況の推定や救助活動の効率化などに役立つ貴重な情報源となっています。
項目 | 説明 |
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震度とは | ある地点における地震の揺れの強さを示す指標 |
マグニチュードとの違い | 地震の規模を表すマグニチュードとは異なり、震度は場所によって異なる |
震度の段階 | 0から7までの10段階で表される |
震度の利用目的 | – 住民が状況を把握し、適切な行動をとるための判断材料 – 防災機関による被害状況の推定や救助活動の効率化 |