震度階級:地震の揺れを測る物差し

震度階級:地震の揺れを測る物差し

電力を見直したい

先生、「震度階級」って地震の大きさを表してるんですよね?

電力の研究家

それはちょっと違うよ。「震度階級」は、ある場所での揺れの強さを表すものなんだ。地震の規模を表すのは「マグニチュード」だよ。

電力を見直したい

じゃあ、同じ地震でも場所によって震度階級は違うんですか?

電力の研究家

そうだよ! 地震の発生場所からの距離や、その場所の地盤によって揺れ方は違うから、震度階級も変わるんだね。

震度階級とは。

「震度階級」とは、地震の揺れの強さを表す尺度のことです。つまり、ある場所でどれくらい揺れたのかを示すものです。 かつて気象庁では、人々がどれくらい揺れを感じたかによって震度を決めていました。しかし、より正確で迅速な情報提供のため、1991年からは地震計を用いて震度を計測するようになりました。ただし、震度7は地震による被害状況から判断するため、地震計で計測できるのは震度6までです。
気象庁は全国に600か所の地震計を設置し、そこから送られてくるデータを集めて、震度を発表しています。
なお、地震の規模を表す「マグニチュード」は、地震のエネルギーの大きさを示す値です。マグニチュードによる地震の分類は以下の通りです。
・大地震: マグニチュード7以上
・中地震: マグニチュード5以上7未満
・小地震: マグニチュード3以上5未満
・微小地震: マグニチュード1以上3未満
・極微小地震: マグニチュード1未満

地震の規模と揺れの関係

地震の規模と揺れの関係

地震が発生すると、ニュースなどで「マグニチュード」という言葉を耳にする機会も多いでしょう。マグニチュードは、地震そのものの規模を表す尺度であり、値が大きいほど、地震で放出されるエネルギーは莫大になります。マグニチュードが1増えると、実際にはエネルギーは約32倍、マグニチュードが2増えると約1000倍も異なるのです。

しかし、私たちが実際に感じる揺れの強さは、マグニチュードだけでは決まりません。同じマグニチュードの地震であっても、震源からの距離や、地盤の性質によって揺れ方は大きく変わってきます。

例えば、震源に近い場所では、地震波が伝播する間にエネルギーが減衰する前に到達するため、震源から遠い場所と比べて揺れは強く感じます。また、地盤が固い岩盤か、あるいは軟らかい堆積層かによっても揺れ方は異なります。一般的に、岩盤は地震波を伝えにくく、堆積層は伝えやすい性質があるため、同じマグニチュードの地震であっても、堆積層に覆われた地域では、岩盤に比べて揺れが大きくなる傾向があります。

このように、地震の揺れはマグニチュードだけでなく、様々な要因が複雑に絡み合って決まります。地震による被害を軽減するためには、マグニチュードだけでなく、震源からの距離や地盤の状況なども考慮した上で、防災対策を進めることが重要です。

要因 内容
マグニチュード 地震そのものの規模を表す尺度
値が大きいほどエネルギーは大きく、マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍、2増えると約1000倍になる
震源からの距離 震源に近いほど揺れは強く感じる
地盤の性質
  • 岩盤は地震波を伝えにくく、揺れは小さくなる傾向
  • 堆積層は地震波を伝えやすく、揺れは大きくなる傾向

震度階級:揺れの程度を示す指標

震度階級:揺れの程度を示す指標

地震が発生した時、ニュースなどで「震度3の揺れを観測」といった情報が流れ、私達の多くは、その情報をもとに行動を起こします。では、この「震度」とは一体どのようなものなのでしょうか?

「震度」とは、ある地点における地震の揺れの強さを表す指標のことです。同じ地震でも、震源からの距離や地盤の状態によって、場所ごとに揺れ方は異なります。そこで、地震の揺れの程度をより具体的に示すために用いられるのが「震度階級」です。

震度階級は、人間が揺れをどのように感じるか、そして周囲の建物や物にどのような影響が出るのかを基準に、揺れの強さを10段階で表します。

最も弱い揺れは「震度0」で、これは人間が揺れを感じることはありません。そして、震度が1つ上がるごとに揺れは強くなり、「震度7」が最も強い揺れとなります。震度7では、ほとんどの家屋が倒壊したり、山崩れや地割れといった甚大な被害が発生します。

気象庁では、震度5弱以上を観測した場合、緊急地震速報を発表し、強い揺れへの警戒を呼びかけています。緊急地震速報が発表された場合は、身の安全を確保するために、丈夫な机の下に隠れる、火を使う場合は火を消すなど、落ち着いて行動するようにしましょう。

震度階級 人間の体感 周囲の影響
震度0 揺れを感じない なし
震度1~4 揺れを感じる 物や建物への影響は軽微
震度5弱~5強 立っているのが困難になることもある 家具の移動、建物の一部損壊など
震度6弱~6強 立っていることができない 住家の倒壊、地割れ、山崩れなど
震度7 非常に激しい揺れ ほとんどの家屋の倒壊、山崩れ、地割れなど

計測震度計による客観的な観測

計測震度計による客観的な観測

かつて、地震の揺れの強さを知るには、人の感覚や周りの様子を頼りにするしかありませんでした。しかし、1991年からは、計測震度計という機械を使って、より確実な観測ができるようになりました。計測震度計は、地震の波を感じ取ると、その情報をもとに、揺れの強さを自動的に計算します。この機械のおかげで、より正確で素早い情報の提供が可能になったのです。現在、気象庁では、全国に約600箇所設置された計測震度計からのデータを集めています。そして、地震発生時には、集まったデータから揺れの状況を把握し、国民に伝えています。このようにして、私たちは、地震発生時の状況を、より正確に知ることができるようになったのです。

時代 地震の揺れの強さの把握方法 情報の速さ・正確性
1991年以前 人の感覚や周りの様子 不正確
1991年以降 計測震度計による自動計算 正確かつ迅速

震度階級の活用と防災

震度階級の活用と防災

地震が発生した際、私たちはまずその揺れの大きさを知りたいと考えるでしょう。そのために用いられるのが震度階級です。震度階級は、体感や周囲の状況から判断される揺れの程度を示す指標であり、私たちが地震発生直後にとるべき行動を決めるための重要な判断材料となります。

例えば、震度3程度の比較的弱い揺れの場合、家具の転倒防止など、身の回りの安全を確保することに注意を払う必要があります。しかし、震度5弱以上の強い揺れを感じた場合は、まず自分の身の安全を最優先に考えなければなりません。テーブルの下に隠れる、丈夫な柱の近くへ移動するなどして、揺れがおさまるまで安全な場所で待機しましょう。そして、揺れが完全に収まってから、火の始末を確認したり、必要があれば避難行動に移ったりする必要があります。

さらに、震度階級の情報は、地震発生後の被害状況を把握する上でも非常に役立ちます。 各地の震度が分かれば、どの地域で最も被害が大きいかを推測することができ、効率的な救助活動や支援活動を行うことが可能となるのです。

このように、震度階級は私たちの生活に密接に関わっており、地震の脅威から身を守るために欠かせない情報源と言えるでしょう。

震度 とるべき行動
震度3程度 家具の転倒防止など、身の回りの安全を確保
震度5弱以上 身の安全を最優先にし、テーブルの下に隠れる、丈夫な柱の近くへ移動するなどして、揺れがおさまるまで安全な場所で待機