実効線量当量:放射線被ばくのリスクを評価する共通の尺度
私たちの体は、心臓や肺、胃など、様々な臓器や組織が集まってできています。そして、放射線による影響は、これらの臓器や組織によって異なります。同じ量の放射線を浴びたとしても、骨髄のように細胞分裂が活発な組織では影響が大きく、皮膚のように細胞分裂が穏やかな組織では影響は比較的少ないなど、その影響は一様ではありません。
これは、細胞の分裂頻度と放射線の感受性に深い関係があるからです。細胞は、分裂する際に放射線の影響をより受けやすいため、分裂の活発な組織ほど、放射線による影響を受けやすいと言えます。
また、放射線に対する感受性も、臓器や組織によって異なります。例えば、生殖器官や眼の水晶体は放射線に敏感であることが知られており、比較的少量の放射線でも影響が出やすいとされています。
このように、放射線被ばくの影響は、臓器や組織によって大きく異なるため、被ばくした際には、どの臓器がどれだけの線量を浴びたかということが非常に重要になります。そして、それぞれの臓器への影響を理解した上で、適切な治療や健康管理を行うことが大切です。