
劣化ウラン:議論を呼ぶその安全性
- ウランとはウランは、地球上に広く存在する元素の一つですが、他の元素とは異なり、目に見えないエネルギーを放出する性質を持っています。これが放射能と呼ばれるもので、ウランはこの放射能を持つ元素、すなわち放射性元素に分類されます。 ウランは、原子力発電の燃料として利用されることでよく知られています。原子力発電所では、ウランの原子核が中性子と衝突した際に分裂する現象、すなわち核分裂を利用して熱エネルギーを生み出し、発電を行っています。ウランは、ごく少量でも莫大なエネルギーを生み出すことができるため、エネルギー資源として非常に重要な役割を担っています。一方、原子力発電の燃料製造過程では、劣化ウランと呼ばれるものが副産物として生じます。これは、天然ウランから核分裂しやすいウラン235を濃縮する過程で取り除かれたウラン238が主成分です。劣化ウランは、天然ウランよりも放射能は低いものの、比重が大きく硬いという重金属としての性質を持っているため、砲弾や装甲板などに利用されることがあります。しかし、劣化ウランは体内に入ると健康への影響が懸念されるため、その安全性について議論が続いています。