原子炉容器

原子力施設

タンク型原子炉:一体型構造の利点

原子力発電所の中心には、原子炉と呼ばれる巨大な装置が存在します。発電の心臓部ともいえるこの原子炉は、ウラン燃料の持つエネルギーを熱に変換する、極めて重要な役割を担っています。原子炉の内部では、ウラン燃料の原子核が中性子という粒子を吸収することで核分裂反応を起こし、膨大な熱エネルギーを発生させます。この熱は、原子炉内を循環する冷却材によって運び出され、蒸気を発生させるために利用されます。 高圧の蒸気は、タービンと呼ばれる巨大な羽根車を勢いよく回転させます。タービンは発電機と連結されており、回転運動が電磁誘導によって電流を生み出すのです。このように、原子力発電は、ウラン燃料の核分裂反応で生まれた熱エネルギーを、蒸気、タービンの回転、そして電気へと順番に変換していくことで成立しているのです。原子炉は、このエネルギー変換の起点となる、まさに原子力発電の心臓部といえるでしょう。
原子力施設

原子炉の心臓部:加圧器の役割

- 加圧器とは原子力発電所の中でも、加圧水型原子炉(PWR)と呼ばれるタイプの原子炉において、加圧器は安全かつ安定した運転を行うために欠かせない重要な設備です。原子炉の中では、核燃料の核分裂反応によって膨大な熱が発生します。この熱を効率よく取り出すために、一次冷却水と呼ばれる水が原子炉の中を循環しています。この一次冷却水は、原子炉内で熱を吸収するため非常に高温になります。高温になると水は蒸発しようとして圧力が上昇しますが、原子炉の安定運転のためには、この圧力を一定に保つことが重要です。ここで加圧器が重要な役割を果たします。加圧器は、原子炉格納容器内に設置された、高さ10メートルを超える円筒形の巨大な容器です。内部には水と蒸気が入っていて、ヒーターで加熱することによって常に一定の圧力を保っています。一次冷却水が原子炉から加圧器に流れ込むと、加圧器内の蒸気と熱交換を行い、再び原子炉へと戻っていきます。このように、加圧器は一次冷却水の圧力を一定に保つことで、原子炉が安全かつ安定的に運転することを支えています。 加圧器は原子力発電所の心臓部と言えるでしょう。