
原子炉の心臓部、カランドリア管の役割
- カランドリア管とは原子力発電において、特に新型転換炉(CANDU炉)のような重水を減速材として使用する原子炉において、カランドリア管は炉心の心臓部と言える重要な部品です。原子炉の炉心には、カランドリアタンクと呼ばれる巨大なタンクが設置されています。このタンクの中には、多数のカランドリア管が垂直に林立するように配置されており、原子炉の安全かつ効率的な運転に欠かせない複数の役割を担っています。まず、カランドリア管は、核分裂反応を維持するための燃料棒を収納する容器としての役割を果たします。燃料棒は、ウラン燃料を封入した棒状のもので、カランドリア管の中に挿入されます。そして、カランドリア管の外側を流れる減速材である重水によって、燃料棒内のウランは核分裂反応を起こします。同時に、カランドリア管は、燃料棒と減速材である重水を隔てる役割も担います。燃料棒は高温高圧な状態になるため、減速材と直接接触すると腐食などが発生する可能性があります。カランドリア管は、耐食性に優れたジルコニウム合金などで作られており、燃料棒を保護するとともに、減速材である重水の純度を保つ役割を果たします。このように、カランドリア管は、燃料棒の収納、核分裂反応の制御、そして燃料棒と減速材の隔離という、原子炉の安全かつ効率的な運転に不可欠な複数の重要な役割を担っているのです。