
放射線を高精度に捉える:ゲルマニウム検出器
- ゲルマニウム検出器とはゲルマニウム検出器は、純度が高いゲルマニウムの結晶を用いた放射線測定器です。物質に放射線が当たると、物質を構成する原子の中の電子がエネルギーを得て外に飛び出す現象が起こります。これを電離作用といい、この時に発生した電子の量を測定することで、放射線のエネルギーや量を調べることができます。ゲルマニウム検出器は、特にエネルギーの高いガンマ線を測定するのに優れています。ゲルマニウム検出器が他の放射線測定器と比べて優れている点は、非常に高いエネルギー分解能を持っていることです。これは、僅かなエネルギーの違いを持つガンマ線を識別できる能力を意味します。放射性物質の種類によって放出されるガンマ線のエネルギーは異なるため、高分解能であるゲルマニウム検出器を用いることで、測定対象に含まれる放射性物質の種類を特定することができます。この優れた性能により、ゲルマニウム検出器は原子力発電所における放射線管理や、環境中の放射線量測定など、様々な分野で利用されています。その他にも、医療分野における放射線治療や画像診断、宇宙観測など、最先端の科学技術分野でも活躍しています。近年では、小型化や低温動作化などの技術開発も進められており、より幅広い分野への応用が期待されています。