
地球温暖化への国際的取り組み:国連気候変動枠組み条約
- 気候変動枠組み条約とは
地球温暖化問題は、私たちの惑星とそこに暮らす生命にとって深刻な脅威となっています。温暖化による海面上昇、異常気象の増加、生態系への影響は、世界中で顕在化しており、その対策は待ったなしの状態です。こうした地球規模の課題に対し、世界全体で協力して立ち向かうために作られたのが、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)です。
1980年代後半、気候変動に関する科学的な知見が深まり、国際社会はこの問題への危機感を募らせていました。特に、1988年に設立された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による報告書は、地球温暖化の現状と将来予測を科学的に示し、世界に衝撃を与えました。
IPCCの報告などをきっかけに、気候変動問題に対する国際的な取り組みの必要性が広く認識されるようになりました。そして、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて、歴史的な合意として155か国が署名。その後、必要な手続きを経て、1994年に国連気候変動枠組み条約は発効しました。
この条約は、地球温暖化問題に世界全体で取り組み、将来の世代のために地球環境を守るための基礎となる枠組みを定めたものです。具体的な対策については、その後、京都議定書やパリ協定といった国際的な合意が積み重ねられていますが、国連気候変動枠組み条約は、全ての取り組みの出発点として、今も重要な役割を担っています。